田中一村のアダンの木部分。
帯に「アダンが奄美や沖縄で霊木とされていることを次の本で知った。図書館の中を歩いていたら目に飛び込んできたのだ、タイトルは「秋成と幻の筆アダン」とあり鷲山樹心 「秋成晩年にみる不思議な多様性。沖縄現地で発掘した幻の筆「アダン」はその謎を解く鍵となって今蘇った!」とある。アダンてあの田中一村の絵にあるアダンか、それにしても上田秋成と筆に結びつくとは一体何事だ、そんな思いで本を手に取るとアダンが霊木であり、その気根の繊維から幻の筆が生まれたという。秋成にも筆にもあまり縁の無い自分ながらアダンの絵には惹かれているし、バリでもアダンが印象に残っている、そんな縁で新たな知識を仕入れたきになった。
その筆を作るのは大変な労力がいることが書いてある。気根を水につけて数年さらし、木槌で根気よく叩いて繊維をほぐし、更に乾燥させて数年とある、その結果秋成が晩年に好んで使った筆が出来上がるという、よく解らないが雄渾な筆跡になるという。現在のナノテクニックでアダンの気根からあらたな組成などが解明されるかも知れないが、現在だれも手がけている様子はない。