まさおレポート

米国家安全保障局(NSA)による国内通話記録の大規模収集を中止すると発表

[ワシントン 27日 ロイター] -オバマ米政権は27日、米国家安全保障局(NSA)による国内通話記録の大規模収集を中止すると発表した。新たな制度では、裁判所の承認を経て電話会社にデータ提供を求める。

米高官が匿名で明かしたところによると、新たな計画では電話会社は政府から要請があった場合、保管するデータを迅速に提供する必要があるという。

また、安全保障上で緊急とされる場合は、裁判所の許可なしでデータ提供を要請できるとしている。

ただ、当局者によると、オバマ大統領が示した計画は、電話会社がどのようにデータを収集し、保管するかという問題が依然解決されていないという。

http://jp.reuters.com/article/worldNews/idJPTYEA2R00X20140328

これだけテロ対策に重要な米国内通話記録の収集を止めて電話会社にデータ提供を求めると言う。米国内外の批判にさらされての措置とはいえ、果たしてこれほど国家安全保障上重要なデータ収集を中止する理由はなんだろう。私の推測による私見では2つの理由が考えられる。

①クラウド化が進行した結果、収集する必要がなくなったあるいは無くせる可能性が技術的に可能になっただろうとみている。

つまり、国家安全保障局に一旦データを集めてこなくても必要に応じて電話会社へのデータ収集が即時にできるネットワークアクセスとデータベース化がクラウド化の進行で完成したからではないか。これまでは電話会社に通話データを収集、蓄積する機能があるにはあったが大規模ではなく(例えば蓄積はひと月間で、そのあと消去されるとか)、各社へのプロトコルに統一が無いとか、蓄積が義務化されていないとか環境が整っていなかったのだが、既に技術的にネットワークとビッグデータの蓄積が可能となっており、批判の多い蓄積を止めたのではないかと推測する。

②さらには超大型計算機を駆使して異常な通話を抽出する能力も通話データの増大で限界に達しており、膨大な予算を費やす大型コンピュータの設置よりも各社にクラウド化したデータを各社のそれなりの大型計算機で分散処理してで抽出済みのデータを取り出す方が費用帯効率が飛躍的にアップするのではないか。

古いデータだが、151国会 衆議院 総務委員会 の国会議事録によると大出委員は次のように質問している。しかしその後の通信量の増大は選別する能力を超えているのではないかと容易に推測できる。

「NSAは1995年の段階で一分間に二百万の通信を選別する能力がある。(対象となる通信は)タクシー無線、警察無線、モニターカメラ、モールス信号、電話、ファクス、Eメール、ポケベル(と多岐にわたる)。元ECHELON(エシュロン)のスパイのマイク・フロスト氏という元カナダ軍の中佐で、1990年までカナダ通信保全機構にいた方が発言しているが、ポケベルのすべてのメッセージを傍受して、キーワードを含むメッセージを選別する。選ばれたポケベルの番号は登録され、継続して監視をする。監視されている人が爆発という言葉を発信したとすると、ある日突然にパスポートが取れなくなる。スーパーコンピューターは世界のすべての通信を対象に傍受することができる。」

通話データの収集に対する批判がNSAによる収集を中止を導いたと理解されやすいが、自国の安全保障に対して実はそんなに柔な米国ではないと思う。本音は増大する通話データ収集と選別が超高速コンピュータと大規模データベースを駆使しても間尺に合わなくなってきており、むしろ電話会社に分散処理させるほうが総合能力はアップされると理解しているのではなかろうか。

ただ、当局者によると、オバマ大統領が示した計画は、電話会社がどのようにデータを収集し、保管するかという問題が依然解決されていないという。

電話会社による収集と保管の問題が残されていると述べているが、実現可能性については既に検討済みとみるのが妥当だろう。

<参考>

http://blog.goo.ne.jp/masaoreport/e/38ae501a2096c3a1e28f00bd40e1fad4

http://blog.goo.ne.jp/masaoreport/e/b19fc9ad09761a418f8c51e7150d530c

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