犬を飼ったことがある人には、犬は嫉妬心が強いことを知っている。猫はそれほどでもなさそうだ。
子供のときに飼っていた小柄な雄犬が大柄な犬に猛然と飛びかかっていった光景が忘れられない。
大柄な犬の頭を撫ぜただけなのに優に2倍以上はある犬に、死に物狂いで襲いかかった。
ニメス湖岸を散歩していると大柄な犬が2匹近づいてきた。茶と黒の2匹だ。
2匹はどこまでもおとなしく着いてくる。
途中で黒い方が近くにいたので頭を撫ぜてやった。
すると茶のほうが牙を向いている。黒に嫉妬しているのだ。
茶は抑えようとしているのだが、どうしても牙が出てしまう。
嫉妬、実に厄介で危険な、生存欲とセットになっているものを天は授けてくれたものだ。
小柄な雄犬は制御できずに襲ったがこの大型犬の茶は黒を襲うこともなくなんとか抑制している。