まさおレポート

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サンギャン儀礼メモ

2023-07-23 | バリ島 文化・風習・葬祭・ヒンドゥ・寺院・宮殿

インドネシアの宗教「パンチャシラ」は「唯一神への信仰」でこの政策に従い、多神教的な要素も持つバリヒンドゥ教は「アーガマ・ヒンドゥ・ダルマ」として整理された。

儀礼を五つに分類しており、それぞれデワ・ヤドニャ(神々への祈りと供犠)、ピトラ・ヤドニャ(死者を祖霊の段階まで浄化する儀礼)、ブタ・ヤドニャ(地下界の悪霊への供犠)、マヌサ・ヤドニャ(人間の人生の各段階での儀礼)、リシ・ヤドニャ(人間が宗教的存在、例えば祭司になる際の儀礼)。

ヒンドゥー・ダルマの至上神は「サン・ヒャン・ウィディ」 バリ・ヒンドゥにおける「カミ」はバタラ・バタリやデワ・デウィなど超自然的な存在。

デワはサン・ヒャン・ウィディの光に過ぎない」と。つまり、デワやバタラはサン・ヒャン・ウィディの聖なる光、つまりその力の具現化である。

デワは「神聖な光」、バタラは「守護者」を意味し、デワに守護の性質が加わるとバタラ。サン・ヒャン・ウィディは創造、維持、破壊を司る全能の存在で、唯一の神であり、その姿を見ることはできない。

死後間もなくの霊は、単なる死霊。遺体は火葬される前に清められ、その後の灰や儀式で使われた供物はすべて海に流される。供えられなかった霊は悪霊となり、自分の子孫に害を及ぼす。

サンギャンは舞踊として天女(ドゥダリ)以外にも、馬(ジャラン)、お化け(ムムディ)、人形(デリン)、箒(サンパット)、猿(ポジョッグ)など、20種類以上のバリエーションが存在。

稲穂が黄色く色づき始めた時にサンギャン・ドゥダリとなる少女を選ぶ場所は田んぼの中の寺院で、そこでは水を司る女神ラトゥ・マニクが祀られています。神迎えの歌では、稲の女神ブタラ・スリに降臨を促す内容が歌われています。

サンギャン儀式は、悪霊を祓い、豊穣を祈る人々の祈りです。サンギャンは神に祈るために必ずタパカンがいないと儀式は成立しません。サンギャン・サンパットは、少女と神々との間に立つ役割を果たします。

タパカンは神を自身に降ろし、宗教的な活動を行う人々を指します。これはサンギャン儀礼における霊媒や民間で病の治療を行う呪医を指すこともあります。サンギャン儀礼では、タパカンは神を受け入れる容器であり、神がいるところが信仰の対象であり、儀礼が終わるとタパカンは普通の村人と同じように扱われます。
 
デリンという儀礼も存在し、こちらは初潮前の少女たちが踊るものです。彼女たちが神を召喚する際、ニッパヤシの葉で作られた一対のデリンという人形を使用し人形は二つの柱に結びつけられた糸から吊るされ、人形が踊り始めると、村人は神の降臨を知ります。そしてその神は糸を通じて少女たちへと移動します。

バリ島の宗教は聖水の宗教で、アーガマ・ティルタと称されます。


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