まさおレポート

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バリ島&ボロブドール聖地巡礼紀行 ハイライト1

2025-02-04 | バリ島 文化・風習・葬祭・ヒンドゥ・寺院・宮殿

仏教遺跡ボルブドールはインド洋を渡ってインドネシアまで伝来された仏教の世界最大級の遺跡。

遺跡には古代ジャワ文字が刻まれていて字体の特徴760 年~847 年の間とされる。建造は824年と考えられており、約1000年の間、密林の中で火山灰に隠されていた。1814年、当時ジャワを占領していたイギリスの総督ラッフルズにより掘り起こされ、10世紀に及ぶ長い眠りから覚めた。

カンボジアのアンコールワットもそうだったが実はジャワの人はそこにあるのを知っていたとか。また、ボルブドールの土台に使われている土と寺院を覆っていた土砂の土質が同じことから、完成と同時に埋められたとの推測も可能らしい。なぜ埋めるかは謎だが。

静寂に包まれた回廊を歩く。幅はおよそ2メートル。両側の壁には無数のレリーフが施され、物語を語りかけるように並んでいる。ボロブドゥールの回廊には、なんと1,460面もの仏教説話が刻まれているという。

それぞれのレリーフは、釈迦の生涯やジャータカ(過去世物語)、法華経の世界観を描いている。まるで巨大な石の書物だ。彫刻の一つひとつが、当時の人々の信仰と技術の結晶であり、1300年以上の時を超えてここに存在していることに圧倒される。

歩を進めるごとに、視界に広がる物語が変わる。悟りを求める修行者、菩薩の慈悲、天界の神々。



レリーフを見つめ、思わず指をさす。「あれ、誰かに似ている…!」
ボロブドゥールの回廊を歩いていると、ふとした瞬間にそんな発見がある。

このレリーフには無数の人物が彫られており、釈迦の生涯を描く仏伝や、ジャータカ(前世物語)の一場面が表現されている。よく見ると、それぞれの顔には個性があり、まるで生きていた人物の特徴をそのまま刻んだようだ。千年の時を超え、現代の私たちに親しみを感じさせるのだから不思議なものだ。

もしかしたら、このレリーフの人物の中に、自分にそっくりな顔があるかもしれない。そんな発見も、ボロブドゥールを巡る楽しみの一つだ。

まだ夜の名残が残るボロブドゥール寺院の最上層。霧が立ち込め、空は紫がかった幻想的な色合いを帯びている。懐中電灯を手にした訪問者が、暗闇の中でストゥーパのディテールを照らし出している。

ボロブドゥールの夜明け前の訪問は、特別な体験のひとつ。
観光客の少ないこの時間帯は、静けさに包まれ、まるで時が止まったかのような神秘的な雰囲気が広がる。仏教徒にとって、夜明けは悟りを象徴する時間 であり、この瞬間を迎えることは特別な意味を持つ。

遠くの霧の向こうには、密林に囲まれた寺院のシルエットがぼんやりと浮かび上がり、仏教の世界観を体感できる貴重なひとときとなるだろう。

霧に包まれた早朝、ボロブドゥールの石段をゆっくりと降りる。振り返ると、千年の時を刻む寺院の門が静かに佇んでいた。

彫刻が施されたアーチをくぐり、石畳の階段を一歩ずつ踏みしめる。まるで、過去から現在へと時を遡るような感覚。かつての巡礼者もこの道を歩み、祈りを捧げたのだろうか。

遠くには、緑豊かな平野が霧のヴェールに包まれて広がる。朝靄が漂う静寂の中、ここがかつて栄えた仏教王国の中心だったことを思うと、不思議な感慨にふける。

静穏を保っていたころのアグン山とふもとのベサキ寺院。噴火と噴煙を繰り返す今となってはすこぶるありがたい時代のありがたい一コマだ。

 


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