NHKオンデマンドの動画で遺跡を見ていて気になる言葉があった。最近の遺跡調査では必ずライダー利用の効果が熱っぽく語られている。かつて訪れたアンコール遺跡群でもあらたな発見が得られている。自動運転は注目されているがLiDARは意外にその強力さが喧伝されていないのではないか。
LiDARは自動運転車に用いられる光リモートセンシング技術でレーダーで用いる電波の代わりに光を用いるものだが意外なところでその効果を発揮している。最新テクノロジーとは縁遠い分野の考古学でだ。
考古学者の「はっきり言って、これほど強力な技術は見たことがありません。」はこの技術がいかに多方面に大きな影響を与えるかを示すものだろう。レーダーの発明に匹敵するもので、軍事にも使われるだろう。今後利用に安全保障上のガードもかかると予想する。google mapにも革新を与えるだろう。
LiDARは最新のセンシング装置で、レーザーを照射して反射波が戻ってくるまでの時間を計測し航空機から地面までの距離を調べる。レーザーは木を通り抜けて地面まで到達し地図には土地の姿が現れる。
データから詳細な3Dマップが完成する。何枚もの重複する画像を合わせ補正して高精細な地面のデジタル画像が作られる。
しかし遺跡は自動的に発見されるわけではなく考古学者にのみ可能な作業だ。人の能力と合わせるという点に注目すべきだろう。ちなみにこのLiDARはグーグル傘下のウェイモが開発し日産自動車が提携を発表している。
①2000年以上前の古代ローマの巨大地下貯水槽を発見。
②ユネスコ世界遺産アンコール遺跡群の古代都市が明らかになった。約900年〜約1400年前の約1,901平方キロメートル以上の古代都市で都市もあることがわかった。
③レイクトラウトはイエローストーンレイクに突然現れ以前の生態系系をひっくり返した。LiDARを利用し、低コストで侵襲魚を探すことができ産卵場所を特定することに成功、表面から15m下を泳ぐレイクトラウトの2つ以上のグループを発見できることを実証した。
④古代マヤ文明の古代建造物を6万以上も発見した。LIDARで2000フィート上空から3Dマップを作成。見つかった遺跡は、マヤの専門家たちが考えていたよりもずっと複雑で、互いのつながりも密接だったという。
⑤マチュピチュの近くで、インカ時代の道やアンデネスと呼ばれる段々畑、ビルカノタ川の水路などを発見した。