北京で3月に50代の日本人男性が国家安全当局に拘束された。スパイ行為に関与した疑いだという。
20年前にこの国へ出張したおりの体験を思い出した。
北京の携帯事情の調査で中国移動通信などの出張先を訪ねている時のこと、30代の男性通訳が車の中で盛んに中国政府の悪口を言う。この国でも外国人にそんな批判的なことを話す通訳もいるんだなと興味を覚えたが、一方で根拠のない何かしらの危険を感じ取ったのでその種の政府批判の話には乗らなかった。
今にして思うと通訳の話に乗って批判めいたことを述べたらスパイ容疑などで拘束されていたという最悪のケースになったかもしれないなと。こちらの単なる思いすごしで、通訳にトラップの意図はなかったのかもしれない。それでも今回の報道で改めてこの国への出張に危険のあることを思い知らされた。