まさおレポート

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グレート・ギャツビー「ともあれ、それは私事にすぎない」は虚実皮膜に通じる

2019-08-06 | 小説 村上春樹

ギャツビーが、デイジーは夫であるトムよりは自分のことをずっと愛していたはずだと言い、そのあとに「ともあれ、それは私事にすぎない」と語り手のニックに言うそのセリフは謎めいている。

「ちょっとのあいだくらい、あの男を愛したこともあったかもしれない。結婚した当座はね。でもその頃だって、あいつなんかより私の方をより愛していたことは確かだ。そうとも」そして、こう言う。「ともあれ、それはただの私事にすぎない」

 「それはただの私事にすぎない」は「それはただのちょっとした運命の気まぐれにすぎない」と言い換えるとよく分かる。ギャツビーの「デイジーが運命の女」という妄想が結晶化された虚の中にこそ真実があると言っているのだろう。

いやもっといえば神に定められた運命だと言っている。

 

「グレート・ギャツビー」 書き抜きメモ

映画「グレート・ギャツビー」メモ


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