短歌情報あれこれ
現代短歌新聞12月号より短歌最新情報を。
第21回若山牧水賞に吉川宏志氏
宮崎日日新聞社などが主催する第二十一回若山牧水賞は、歌集『鳥の見しもの』
の吉川宏志氏に決定した。吉川氏は昭和44年宮崎県生まれ。「塔」主宰。歌集に『海雨』(寺山修司賞)、『燕麦』(前川佐美雄賞)『対峙と対話』等。 選考委員は、佐佐木幸綱、高野公彦、馬場あき子、伊藤一彦の四氏。
授賞式は、2月7日午後2時から宮崎観光ホテルで行われる。
第28回歌壇賞
本阿弥書店主催の第28回歌壇賞(新人賞)は、応募作522篇の中から大平千賀氏の「利き手に触れる」30首と佐佐木頼綱氏の「風に膨らむ地図」三十首が同時受賞した。
大平氏は昭和57年生まれ。「短歌人」所属。佐佐木氏は昭和54年生まれ。「心の花」所属。
選考委員は伊藤一彦、三枝昂之、東直子、水原紫苑、吉川宏志の五氏。
授賞式は、2月10日午後5時から宮崎観光ホテルで行われる。
新刊 来嶋靖生著「作歌相談室」
現代短歌社新書・来嶋靖生の「作歌相談室」は短歌の実作に関する入門書は数多いが、筆者は実作の裏側、実作をはずれた悩みや相談に真摯に向き合った。初心者、ベテランともに座右の一冊。
※ 以上は昨日届いた現代短歌新聞からの情報。やはり昨日届いた「未来」12月号から
夢の出口に 五首 松井多絵子
われよりも疲れているのか黒猫よ、歩道にだらりと闇色の影
三か月のちには降誕祭がくる 我を急かすなコスモスの花
秋風のなきごえ聞こえる夕ぐれの窓のレースのカーテンゆれて
まだ読まぬ読みたき本は山となり私はつねに山裾にいる
暁の夢の出口の前にくる この世のことは夢かもしれぬ
この世のことは、ほとんど悪夢、かもしれないですね
12月3日 松井多絵子