忘れ得ぬ1冊
♥ 本という本が背をむけ立ち並ぶ振り向かないで、今は読めない 松井多絵子
重厚感から軽やかさと華やかさへ。都市部を中心に、女性と若者を意識した街の本屋が登場している。しゃれた外観に加え、雑貨コーナー、ビールが飲めるカフェ、ギャラリーなどを併設することが多い。※今日の朝刊☀Beより
◉「Тitle」東京杉並区の民家を改造して開店。奥にはカフェがある明るい店内には、文芸から人文、科学、アート、暮らし、旅、子ども、漫画、週刊誌までバランスよく本が並ぶ。
◉「双子のライオン堂」東京都港区赤坂に昨秋オープン。店内のほぼ全てが作家や評論家の選書棚。店主の竹田信弥氏の協力者は東浩紀氏など約30人
♥ わが町の駅前通りの書店には立ち読みびとが樹木のように
業界全体では書籍と雑誌の売り上げが年に4~5%減の現在、地域文化を支える本屋の存在感と影響力は、一朝一夕では生まれない。東京都文京区の ◉「往来堂書店」は書店街に行かなくても本が手に入る。品ぞろえで本好きが集まるが、ユニークな古書店やミニコミ出版で知られる 谷中、根津、千駄木かいわいのつながりを生かした「不忍ブックストーリー」の存在も大きい。
「あなたの忘れ得ぬ1冊は?」と聞かれたとき、すぐに応えられる人はいるだろうか。沢山の本を読みながら私の忘れ得ぬ本を1冊だけあげることはできないが。半世紀前には今ほど本がなかった。1冊の本を繰り返し読んだ。長編の「風と共に去りぬ」は3回は読んでいる。合計100時間も費やしたかもしれない。その頃の私はヒロインのスカーレット・オハラになり、南北戦争の頃の南部のアメリカをさまよったのだ。そんな私を呼びもどしたくなる。
12月10日 松井多絵子
♥ 本という本が背をむけ立ち並ぶ振り向かないで、今は読めない 松井多絵子
重厚感から軽やかさと華やかさへ。都市部を中心に、女性と若者を意識した街の本屋が登場している。しゃれた外観に加え、雑貨コーナー、ビールが飲めるカフェ、ギャラリーなどを併設することが多い。※今日の朝刊☀Beより
◉「Тitle」東京杉並区の民家を改造して開店。奥にはカフェがある明るい店内には、文芸から人文、科学、アート、暮らし、旅、子ども、漫画、週刊誌までバランスよく本が並ぶ。
◉「双子のライオン堂」東京都港区赤坂に昨秋オープン。店内のほぼ全てが作家や評論家の選書棚。店主の竹田信弥氏の協力者は東浩紀氏など約30人
♥ わが町の駅前通りの書店には立ち読みびとが樹木のように
業界全体では書籍と雑誌の売り上げが年に4~5%減の現在、地域文化を支える本屋の存在感と影響力は、一朝一夕では生まれない。東京都文京区の ◉「往来堂書店」は書店街に行かなくても本が手に入る。品ぞろえで本好きが集まるが、ユニークな古書店やミニコミ出版で知られる 谷中、根津、千駄木かいわいのつながりを生かした「不忍ブックストーリー」の存在も大きい。
「あなたの忘れ得ぬ1冊は?」と聞かれたとき、すぐに応えられる人はいるだろうか。沢山の本を読みながら私の忘れ得ぬ本を1冊だけあげることはできないが。半世紀前には今ほど本がなかった。1冊の本を繰り返し読んだ。長編の「風と共に去りぬ」は3回は読んでいる。合計100時間も費やしたかもしれない。その頃の私はヒロインのスカーレット・オハラになり、南北戦争の頃の南部のアメリカをさまよったのだ。そんな私を呼びもどしたくなる。
12月10日 松井多絵子