今日の言葉
子供のころからお調子もん。カッコよく言うわけじゃありませんが人の喜びが自分の喜びなんです。
フランキー堺
笑顔を忘れた世の中
笑いの種類には「苦笑い」「愛想笑い「含み笑い」「薄ら笑い」「せせら笑い」「作り笑い」「思い出し笑い」「一人笑い」「高笑い」etc・・・たくさんあります。近ごろ思うのは、心の底から湧き出る笑いが消えてしまったことです。
コロナに苦しめられ、経済的にも精神的にもゆとりがなくなりました。経済と社会にも閉塞感が高まり続けています。腹の中を風船玉に例えれば、欲求不満が充満して、今すぐに、爆発しそうな雰囲気であります。一番の原因は、デフレにより、心身共に余裕がなくなったことです。すると、人と人との関係がギスギスになり、まるく収まるところもヒートアップして収拾がつかなくなってしまいます。プロセスよりも結論を先に出してしまい、因果関係を重視しません。
無銭飲食「5000円分」の記事を読んで、その意を一層強くしました。
ひと昔前なら「無銭飲食という行為」はニュースにもならなかったような気がします。すぐに思い出したのが、『男はつらいよ』の一番面です。
焼肉屋で、寅と舎弟の登が、所持金がなく無銭飲食で警察のやっかいになった場面です。
『男はつらいよ』シリーズはかれこれ、半世紀のおつきあいです。最新作までコレクション、名場面は、いつでも記憶の中から取り出すことができます。
貧しい人々はいつの世にもいます。それぞれの時代の風が吹いています。『寅さん』の時代は、縦横の絆でつながり、一人の波紋が周りに影響を与えていました。困っている人がいたら、誰かしら心配し、その思いを周りの人たちがつないでいきました。一人の悲しみを共有できました。
令和の今、縦横の絆が断ち切られ、孤立化社会になっています。男性のやるせない寂しさを抱えながらチビリちびり飲ってる姿を思い浮かべるとせつなくなってきます。明日は自分も同じ境遇になるかもしれません。
「おじさん、さびしそうだね。一杯いくか」
四角の顔がニコッと笑っておちょこにお酒を注ぐ寅さんのような人がいなくなりました。あの頃のおじさんたちのバイブルのような存在でした。
『袖ふれあう仲も何かの縁』
そんなノリであのころのおじさんたちは、見ず知らずのひとでも酒を酌み交わしていました。
どんな時代でも、どうしようもないことに出会うことがあります。
『そんな、ちっちゃなことは笑ってぶっ飛ばしちゃおう』
心底から発する笑いはそれだけのパワーがあります。それと邪心のない笑顔、それが寅さんの大きな魅力です。『男はつらいよ』、何度も観ても見飽きない理由です。
コロナの影響で、社会は閉塞感がただよっています。今こそ、大きな笑い声が必要な時かもしれません。
無銭飲食がニュースにならない社会にしたいものです。
今日の一曲紹介します。
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