植物園「 槐松亭 」

バラと蘭とその他もろもろの植物に囲まれ、メダカと野鳥と甲斐犬すみれと暮らす

やっぱりご褒美を貰ったのかも ヤフオク万歳

2023年12月30日 | 篆刻
朝五時から大掃除であります。
ワタシだけの「隠れ家」仕事場で、一応週一くらいでは片づけや掃除をしておりますが、生来の掃除下手・整理が出来ない人間なので、誰も来ないのをいいことに散らかし放題であります。

それでも、新年を迎えるにあたり普段それっ放しの篆刻部屋(PS操作と篆刻印作成)を整理しようと立ち上がったのです。また、恐らく今日からくる孫たちがワタシの仕事場に乱入してくることは間違いないので、危険物はしまい、親に言いつけられない程度にきれいにしておかねば、と思うのです。

さて、先日届いたワタシからのワタシあてのプレゼントのお話であります。一年頑張った自分に少しはご褒美をやろうと、ヤフオクで奮発した印材と印泥であります。総計27千円なので、大したことはないと言えばそれまでですが、1件数千円の入札に抑えているので、ヤフオクの入札はほとんどが他人が落札して、大体週に2回前後しか落札できません。一つの田黄石で、4~5万円ともなるので、出る幕はありません。

しかしながら、丹念に隙間をついて安値で落札するものには少なからず「お宝」に出会う確率もあるのでやめられないのです。

まず最初に印泥。「栄宝斉(榮寶斎)」の印泥を5千円で入手できました。近年の品物でわずか15gしかない少量のこの印泥は、1万円程度で売られていたはずです。しかし、中国の物価が相当上昇したこと、円安が進行していることから、今では15千円ほどになるかもしれません。

榮寶斎の印泥は、一般に販売されている中国の印泥では最高峰(最も良質で高額)であったのです。最近では高式熊・李 耘萍(リーウンピン)女子 の作る(運営する)式熊印泥・ウンピン石泉印泥などがとても高品質になりましたが、それまではなかなか手が出ない最高級印泥で、あったのです。なにしろ「贋作国家」とも言える中国ですから、榮寶斎の偽物は売るほど出回っています。ワタシは印材に加えて、「印泥コレクター」でもあるので、印泥は50個ほど所有しております。その中で栄寶斎と銘うたれた印泥は中身無し(空の七宝容器)を除いても、6個ありますが、多分本物は2個だけで、後は質の悪いどす黒い朱の印泥・中身だけを入れ替えたと思われるものです。詳しくは下記の記事を参照あれ。
今回入手したのは、外箱・説明書・未使用印泥(黄磦半両装)が揃い、容器の底には「栄宝斎」が焼き付けられております。これは本物で間違いないのです。興味深いのは、説明書に「李 耘萍」女子 の名前が幾度も出てくることです。今や印泥の最高級品もウンピンさんが監修しているのですね。


次にご披露するのが「田黄石らしき石」一個で最低落札価格15千円の単独落札品です。

さほど古いものでは無く、石ももしかしたら「新田黄」と呼ばれる廉価な類似品かもしれません。しかし、山水・人物の細密な「薄意(薄い浮彫)」がありと、石と置台がちゃんと収まるように測って作られた専用の元箱があるのです。石自体は黄土色と朱茶色のツートンながら、それなりに光沢があって彫り易そうで、重量が155gと立派な石であることから、自然石であれば相場に合った値段と見たのです。
届いたものは想像通りで、自然石で間違いありません。軽く磨くと艶々だし細工もとても丁寧でした。田黄石でなくても結構、いい買い物であったと満足でした。

最後はなんと「田黄ぽい石材含め・箱有で4点まとめて」、これがたったの5,250円で落札できたのです。印材蒐集歴4年のワタシからしたら、信じられないほどの安値であります。実際これには落札上限を2万円にして入札したのです。

左から順番に①~④と番号をつけましょう。
まず①こちらは更に一回り大きく透明度の高い凍石であります。上部には、来年の干支の「紐(持ち手の飾り彫)があって、なかなか見事であります。紐と印面に近い部分に黄土色の不透明な石層が流れているのが「減点要素」ではありますが、半透明で美しい中間部分には軽く薄意まであってとてもしゃれた雰囲気であります。人によっては5万円位と値踏みするかもしれませんね。


②はやや暗黄色と灰色が混じっていて、純粋で黄金色の田黄一級品とは言えませんが、これもやはり田黄、と判断します。オーソドックスな薄意も前面に丁寧に施されており艶やかであります。これ1個で1万円以上してもなんの不思議もありません。


③の角材はちょっと種類の特定が出来ません。石印材の大半を占める「寿山石」ではなく、パリン石とか昌化石かもしれませんが、決して悪いものではありません。

④これは一般的にはあまり印材としては用いない「大型石」であります。これとて寿山系の天然石であり、表には簡単な植物(瓢箪)の薄意があります。混色で透明度が低いので、石自体は雑石扱いされたものだと思われます。

つまり、③④の石はそれぞれ千円から3千円程度の代物かもしれませんが、①②は合わせて少なくとも5~6万円はしようか、というお宝であったのです。
ワタシは思うのです。
神様か誰かが、ワタシを空から見ていて、この1年間エライ思いをして苦労し頑張ったワタシにそっとご褒美をくれたのだと。

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