植物園「 槐松亭 」

バラと蘭とその他もろもろの植物に囲まれ、野鳥と甲斐犬すみれと暮らす

チユウキンレン 満を持して堂々と咲く

2022年08月16日 | 植物
あのいきなりステーキの創業者が、解任されるようです。10年近く前に銀座に1号店を出して以来、急激に店舗を増やし、外食チェーンとしては、ビジネスモデルとして讃えられて19年には、全国で約500店舗まで増えたそうです。

ところが有る時を境に、1店舗当たりの売り上げが落ち始め不採算店舗が出始め、次々に閉店を余儀なくされました。安く良い肉を仕入れ、原価率を高めて(販売価格を抑えて)立ち食いにしたのはいいけれど、客層が限定され思ったように人気が拡大しなかったのです。これは以前からワタシがよく使う「屏風と食い物屋は広げると倒れる」理論です。かの創業者は、一人で立ち食いの安くておいしいステーキが食べられるのを好む客が、無限に存在すると勘違いした結果、同じチェーン店同士で客を取り合うことになると思わなかったのです。 貧すれば鈍する、で味が落ち肉の品質も不安定となって客離れが進んだ様です。

話はかなり飛びますが、植物というのは「自分の鉢にあった生長をする」という賢さがあります。小さな5号や8号くらいの鉢植えならば、自ずと根を延ばすことが制限され、横にも上にも生長することを止めます。盆栽がいい例であります。もし、わずかな土しかない狭い鉢の中でどんどん茎や葉を茂らせて太くなろうとすれば、根が鉢の中にびっしりと回り、必要な土からの栄養分も水分も取れなくなって早晩枯れてしまいます。これを、当地では「一升桝には一升の酒しか入らない」と言います。人間の器が小さければ財も人脈も知識も入らないでしょう。分相応に生きろという戒めでもあります。

そこで、地湧金蓮(チユウキンレン)の話であります。すでにしてこの植物については数回このブログで紹介しております。

以下は、その一部で、3年前の記述であります。
この時、買ったまま鉢に一杯となったこのちょっと珍しい植物を、えいやとばかり鉢を割り、株を両断し半分を地植え、残り半分を4つの鉢に株分けしたのです。小さな鉢に押し込められたまま成長を止めているように見えたのです。株分けした時点では、実生で育った鉢植えを加えると5個の鉢植えと地植えの一株でした。その後、二鉢は、カナちゃんの花屋さんに持ち込んで即日里親さんに貰われていったので、現在は3鉢が残っています。

チユウキンレンは、株が充実するまでは咲かないそうです。開花株を購入してから3年、地植えして丸3年、ようやくその花蕾を発見したのが今年7/23でした。おそらくひと月くらい前から変化があったと思われますが、梅雨の時期は外回りも出来ず、梅雨明け以降は草取りに明け暮れて気づくのが遅かったのです。

それから3週間経過し、30センチ以上の大きな花が咲きました。
厳密には径25cmほどの楕円状円錐形の黄色の苞が重なり合い、その下から花が咲くのです。
どうです、この圧倒的な存在感。
更に別の幹(葉っぱの茎が重なり合ったもの=偽茎 )からも咲き始めました。
今朝急遽、周りの灌木の葉っぱなどを剪定し、遠くからでも見えるように刈り込みました。
もう一本の幹がこんな状態です。これはもしかすると3番目の花蕾が出て来るのではないか?と思います。要観察です。

6年待って急に3つも花がつくと「報われた気持ち」でシアワセになります。これが少なくとも10月まで咲き続けてくれるのですから。

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