植物園「 槐松亭 」

バラと蘭とその他もろもろの植物に囲まれ、野鳥と甲斐犬すみれと暮らす

ワタシが石を集める訳 無条件に石印材は楽しい

2023年05月25日 | 篆刻
深夜2時頃に、ワタシのブログが何故か200件位のアクセス数をカウントしていました。これまでに幾度かそんな現象が起きていることがあって、少し怖いのです。何かの工作員や危険分子としてチェックされたか(笑)、あるいはワタシの個人情報をAIかなにかで分析したか・・・。
ワタシのブログの順位はだいたい5千位前後、それで十分、インフルエンサーとかお金を貰えるブロガーになりたいわけでもなく、アクセス数など増えなくていいのです。ですから、出来るだけ人のブログを見に行ったり、フォロー先を増やすなどの努力はいたしておりません。

さて、人間という動物は、自分が採取できるもの、自分でつかめるものを食べるのが自然であるという考え方があります。太古の昔、目も開かないような新生児は手探りで母親の乳房を探り乳を飲みます。子供たちは、木の実や果物を採って食べ、屈強な若者や大人になると野山にいる動物を狩り肉を食らう、力が弱ってくれば魚や貝を捕まえる、年取ったらまた菜っ葉などを植えて食する、といった按配であります。

収集品・趣味もまたしかり。若いころと、年取ってからでは興味の方向性が変わります。若いころは生き物・動物に興味を持ち飼おうとします、それが老いてくると、育てるのに楽で、動かない植物に興味が移ります。さらにそれが高じてほとんど成長しない「盆栽」を有難がるようになりまう。で、最終的にお迎えが近くなると、全く変化しない「石」を集めるようになるのだ、と昔読んだ本に書かれておりました。石は墓石に通じるものでもあり、何も手を加えることなく、せいぜい洗ったり磨いたりすることが楽しみなのです。

このワタシはもはや、その先が無い、お陀仏間近の石集めに夢中になっている最終段階の人間の一人ということになります(´;ω;`)ウゥゥ。

篆刻を始めて必然的に「彫るための石」が欠かせませんでした。練習用や自分の落款用の石印材を買ったり、ヤフオクで入手するうちに、そのアヤシイ魅力の虜になったのであります。

今、石印材を集める目的は第一義には彫るため、ではありますが、印材や篆刻印はそれ以外の愉しみがあることが分かったのです。まず手に取って愛玩する、手練れによる彫の素晴らしさを感じ刀法を学ぶ、紐や薄意を観賞する、といったところです。
更に、何十もの種類に分類される石のバリエーションに興味を持ち、多くの希少石を手元に置きたいという「蒐集欲」を満たしたいと思うようになりました。また、非常に珍しい石や宝石並みに扱われる高級種の石は持っている楽しみだけではなく、投資に値する骨董品、資産価値としても十分な対象であるのです。著名な中国や日本の印人の手による印(篆刻家の名前・側款あり)は時としてとんでもない値段がつき、ひいては書道芸術の重要な資料になることさえあります。

石印材を集めるもう一つの理由が、材質や石の種類の研究であります。印材に用いられている美しい石たちが、どこで産出されどんな経路を辿ったなんという石なのか、そこにロマンと知的好奇心が生まれるのであります(笑)

最近はさすがに練習用・駄石のヤフオク入札・購入は厳に慎むようにしています。その種の石は腐るほどあります。やはり主眼は「田黄石」を中心とした珍しく高価な石材の蒐集です。しかし、だれが見ても素晴らしい本物の田黄のような出品物はすぐに10万円くらいに入札額が高騰するので、ワタシらには手が出せません。
無数に出品されている石のうち、正体不明の怪しげな石や、数点まとめて出品される十ぱひとからげみたいなものの中から「きらりと光る逸材」や田黄みたいな石を発掘して、安く入手するという手段しかありません。

ワタシの乏しい軍資金からは、せいぜい1万円前後の入札しか出来ないのです。ごく例外的に2,3万円の落札もありますが、それは数十個まとめてなので、一個当たり換算では数百円という品物か、さもなければ田黄ないしはそれに類した小さく地味な石で、さほど注目されなかったモノであります。田黄でもピンキリなので、箱なしの10g前後ならば、時として比較的少額で落札できることがあるのです。

それがこれです(爆)
高さが3センチ足らずで18gの重さで落札価格13,500円でありました。こんな小さな石の全面に丁寧な細密の薄意(浅い浮彫)が施され、自然石ならではの色つやがあって「紅筋」が走っています。三人の入札しかありませんが、評価点が4千点くらいの方が13,000円を入れてきたのです。この石は「田黄」とみていい、値段も妥当である、と思います。本物の田黄を手にしている実感があって正直「とっても嬉しい」のであります。まぁこれがコレクター心理というものでしょうか。

ついでに、最近の落札物でちょっと楽しい石をお見せしましょう。

石自体は緑がかっていて白茶色の夾雑物がある「広東緑」でしょうが、その紐が珍しくかわいらしい「出目金」であります。

次は、白色系半透明の凍石二個であります。
左の石は、「高山凍」と見ます。非常に美しい材質で薄く琥珀色の層が流れていて「流紋」と呼ばれる滑らかな薄意が4面に施されています。棒状の田黄石にもよく見られる細工で、これは値打ちものに相違ないと落札、その額6千円でしたが、届いて「掘り出し物」であることをさらに確信したのです。
どうです、素敵でしょ!!
右の石は「4個まとめて」で4千円で落札したうちの一つです。古びたシールに老舗書道具店「墨運堂」と印刷され商品番号が捺されていました。これは同じく高山凍か「水晶凍」で小さな「引首印」用であります。紐も丁寧で恐らくは本場中国で仕立てられた一品ものの佳品であります。


下の石は、さして入手価格は高いものではないのですが、それなりに石の色や模様が面白いのでコレクションに加えております。
虎皮のような模様もなかなか見たことがありません。こんな2㎝角の石に、李白の漢詩がびっしり刻まれているのです。作款は解読できておりませんが、ひょっとするとなかなかのお宝かもしれないのです。

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