印材をヤフオクで落とすとき、写真でしか品定めは出来ません。手に取ってみれば印材の良し悪しは分かるようになりました。しかし、安くお宝みたいな石が入手できるという魅力に負けてつい妙な石を落札することも少なくないのです。
その最たるものは「田黄」の偽物であります。多くが樹脂や石粉などを混ぜて溶材に溶かし込んで作る人造石であります。これは、印としての活用も出来ず、せいぜい文鎮か置物程度にしかなりません。ワタシは善人なので、そうした偽物はヤフオクに出したり人に差し上げたりせず、いずれ廃棄することにしております。ババ抜きのジョーカーは捨てない限り誰かがつかまされる事になりますからね。
それらはほとんど100%メイドインチャイナです。日本国内でそんなものを作っても売りさばくほどのマーケットはありません。印材自体産出するのは中国だけと言っていいのです。悪い日本人ならば、手間の割に高く売れませんから、もっと手っ取り早く金儲けができる犯罪に手を染めているのが現状でしょう。
偽物の田黄は以前このブログでも掲載しておりますが、粗悪なものから巧妙に細工したものまで様々であります。下のはどちらも溶材を使った人造石です。
その中で、もっとも安直な小細工・カムフラージュが塗装であります。全く人工的に作るものはむしろ材料の調合や製法が難しく手間がかかるのです。それに比べると大量にある粗悪で安い自然石に色を塗るのが最も安上がりで勝負が早いのですね。「糊塗する」「偽装する」とでも言いましょうか、表面にニスのようなもの・植物性顔料などを噴霧しているようです。中には「鶏血石」に似せるため赤いフィルムを張ったり、厚く赤の顔料を擦り付けることもあります。いずれにせよ、安い原石に厚さの違いこそあれ被膜・塗膜によって石の種類を高級石に偽装しているのです。
田黄に似せている石。少し角を磨くと半透明の灰色の下地が現れました。
これは、実際に前の持ち主が遊印として使っていて、恐らく中国観光して「土産物」として求めたものでしょう。青緑色に見えますがペーパーで表面を磨くと斑点がはいった灰色の石でした。
紐がついた印材も、どれも茶や白色系の印材を着色したもので、印刀で削れば全く違う石であります。左の2本はちゃんとした側款がありますが、やはり汚らしい石でした。多分高級石の黒石「楚石」に見せかけていて、これも中国の文物店や露店で彫ってくれた篆刻印かと思われます。
こんなものもありました。印材としてまとめて販売されているもので、一般人ではなく篆刻家や印材店に売られているものでしょう。そんなに美しいとも思えませんが、水研ぎしたら紫色に水が汚れました。ちょっと見にくいですが写真右上の二本が塗装を落としたもので、こっちの方がよほどきれいな凍石だったのです。
ワタシがこうした着色したり塗装した石を憎むのは、年月が経過するほど価値が下がるからです。印は、自然に表面が剥がれたり摩耗してきますし、どこかに当たったりして小さな傷が生じたりします。それが天然石そのものの印材ならばそれが「古色」の風合いを醸すし、擦過やアタリ傷はサンドペーパーで修復して美しい艶を取り戻します。しかし、表面を塗ったものはどんどん汚れてきたなくなり傷は修復できません。もともと粗悪な安い石を使っている年経るほど無価値に限りなく近づくからです。
中国3000年、世界最古の本を残した書の本家であり、漢字の発祥の地でありますが、今の中国は単なる利己主義の野蛮人の集まりであります。中国人の考えることは分かりません。色を塗ってかえって汚くなります。目先の利を追って質の悪いものを売る典型でもあります。
観測気球をアメリカの方に飛ばし、沖縄で無人島を買収するのは何かわけがあるに違いありませんが、やはり中国人の考えは理解できないです。何回も無価値の石をつかまされています。
はっきり言って中国は大嫌いであります。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます