植物園「 槐松亭 」

バラと蘭とその他もろもろの植物に囲まれ、メダカと野鳥と甲斐犬すみれと暮らす

肥料はよくよく考えて与える

2021年04月03日 | 植物
今年に入って2回目の「ぼかし肥料」を仕込みました。油粕・たい肥・腐葉土・米ぬかを混ぜて、少しの雨水に発酵促進剤を投入、あとは毎日撹拌して10日ほどで出来上がります。

 作り方のコツはこのブログに書いてありますが、水を多くしないこと、毎日様子を見ながらかき回す程度のことで難しいことは何もありません。湿り気が無くなり発酵熱が収まるのが出来上がりのサイン。腐敗臭がしたら失敗です。

 植物の栽培に、ごく一部の例外を除いて肥料は必要であります。なくても育ちますが、いずれ土がやせてくると花付きが悪くなったり樹勢が衰えたりします。少なくとも、野菜や果樹を大きく美味しく作るのにはなくてはならないものです。園芸を始めると誰しも肥料をふんだんにやるので、素人が手掛ける家庭菜園は大体が肥料過剰になります。
 
 市販の化学肥料・化成肥料は、さほど値段も高くはなく手軽でバランスがいいものです。短期的に植物を大きく元気にする、偏った土質の栄養状況を整えるといった効果がありますし、即効性も高いのです。

 ただし、それらはあくまで、補助食品やサプリメントのようなもので、病人に点滴をうったり薬を飲ませるのと同じような気がします。健康的な植物の生長にはやはり主食やおかずのような「有機肥料」が望ましいのです。お金の余裕があれば、出来るだけ腐葉土とたい肥(発酵牛糞が一番いいかも)を漉き込むようにしていれば、いい土の状態が保てます。ただし、害虫、とりわけコガネムシの幼虫とヨトウムシは有機物を好みますから、殺虫剤をまいたり定期的に土中のチェックをしておくのが肝要です。

 よく家庭菜園の資料に「野菜くずや雑草、剪定後の枝葉」などは積み重ねて発酵させると腐葉土のように活用できると書かれています。バケツや畑の隅に穴をほり、乾燥させたり腐らせたりしたものを積んで発酵させたりするといい肥料になると。

 ワタシはこの考え方にはあまり同意できません。雑草には種が多く含まれ、これを肥料にすれば発芽して雑草が繁茂します。庭先に置いた堆積物には多くの虫が集まり繁殖します。腐敗させれば決して衛生的とは言えませんし悪臭も発生します。時間と手間がかかり、また未熟な発酵物は施肥してからも発酵熱を出して根を傷めたりもします。農家さんのように、大量におなじものの屑が出るのなら話は別ですが。

 今日も90L入りのごみ袋二つほど草抜きをいたしました。これは乾燥させてからゴミに出します。一方で草取りしていると、樹木の下などには落ち葉や枯葉もたくさん積もっています。これは無理して集めて捨てる必要はありませんね。自然と土に返って、肥料になってくれればいいのです。

 自然界で最も理想的な有機肥料(土壌)は人里離れた奥山に何百年も手付かずになった雑木林・森林に堆積した「腐葉土」だろうと思います。長い時間かかって、虫やバクテリアのチカラで植物繊維や木が分解されてふかふかになった土壌は、すべての要素が含まれた最高の肥料になります。ワタシがもう少し金持ちで、森林や山の近く住んでいたなら、山の所有者にお願いして掘り出すところですね。

 ぼかし肥料は、そうした時間のかかるプロセスを省略し、衛生的に短期間で出来るというメリットがあります。腐葉土は緩効性、長期間土を豊かに保ってくれます。完全発酵させたぼかし肥料は「万能」で即効性もありますが、効き目が強いので、根にじかに当てない様に離し、地表に撒くのが効果的です。

 結論はやみくもに肥料を施すのは考えものということです。季節や植物たちの様子を見ながら、控えめに施肥するのがいいと思います。年に数回ぼかし肥料を施し、たまに化学肥料を追肥する、暑さや乾燥で弱った植物にはハイポネックスなどの液肥をカンフル剤で撒くのも効果的だと思います。肥料のやりすぎも実は禁物なのです。濃すぎると根を傷め、そこから病原菌が入って根腐れを起こす、というのが一番注意すべき点でもあります。
 また、つるぼけとか徒長を起こして、肝心の実や野菜がとれないということもあるのです。この話はまた別の機会に。

 

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