昨夕、何気なしにテレビを点けたら、女子ラグビー、イングランドとニュージーランドの試合をやっていました。女子ながら100㎏を超えるような巨体の肉体同士がぶつかるのみならず、機敏に疾走する姿は迫力があり、思わず見入ったのです。日本人で体重100㎏の女性なら100人中100人、全力で走ることなどできませんね。
その6時間ほど前、ワタシは失望と喪失感に打ちのめされていたのです。サッカー女子、なでしこジャパンとイングランドの親善マッチを楽しみにして、あらかじめ吉野家にいって牛丼頭増しを買ってきて、これを食べながら応援しようと思いました。
ところが、試合は一方的に押しまくられ、0-4という記憶にないほどの大敗・完敗を喫したのです。数千年の間、狩をし戦争を繰り返してきた屈強で獰猛な「アングロサクソン」と、離れ小島で魚を食べ農耕で糊口を凌いできた「モンゴロイド」との差は明白であったのです。なでしこはちまちましたパスサッカーで、弱いパスをかっさらわれ、マイボールになっても、激しいマークやボディーチェックでDFや中盤で奪取されました。
たまに相手のゴール前に迫っても、早い戻りのイングランドDF陣は高く、厳しいチェックで、まともにシュートを打つことさえ出来ませんでした。そして、イングランドは最後尾からの一本のパスを受けたディフェンスや中盤の選手が猛然とドリブルでつっかけると、日本の選手は簡単に振り切られました。ストライドも違えば、足の筋力も違って、スピード・パワーともに太刀打ちできなかったのです。
ワタシイチオシの杉田妃和ちゃんもボールを支配できず、ボールロスを繰り返しました。後ろから攻めあがるのが持ち味の清水梨紗選手は、相手の猛攻で下がったままになりました。本職はFWであったはずの遠藤純は、不慣れなサイドバックになったせいか、後ろを取られ、振り切られ、味方のゴール近くで幾つもミスをしました。DFがもっとも下がった状態から攻撃を組み立て、チマチマとボールを繋ぐうちに、相手にインターセプトされて決定的なピンチを何度も招いてしまったのです 。
エース岩渕真奈ちゃん、残念ながら孤立し本来の突破力やテクニックを発揮できませんでした。ボールを受けてもサポートしたり、後ろから駆けあがって来る味方がいないので、ボールを下げるパスを選択するしかなかったのです。彼女もあの2011年ワールドカップ優勝の時のルーキーで、もう11年前です。イングランドのアーセナル・ウィメンFC で活躍していても29歳になるのです。
印象で言えば、単純に3バックから4バック・5バックという守備的なフォーメーションに変えて修正できるというレベルでは無いのです。あの澤穂希や宮間あや選手などを中心にした高い技術力と献身的な守備ですら、多分今の世界サッカーには通用しないでしょう。それだけ、世界はパスの技術や機動性を磨いてきたのです。換言すれば日本のパスサッカーは欧米のスピード・パワー・テクニックすべての面でおいて行かれた、と感じました。
振り返れば、11年前の優勝メンバーを佐々木監督がその後も使い続け、だんだん弱くなりました。あまりにそれまでの選手が傑出していたこともあって、世代交代が進まなかったのです。また、小さい時からサッカーの選手を育成するといった国を挙げてのシステムは日本にはありません。本来なら、11年前の活躍を見て、サッカーを志す少女やそれを歓迎する親が増えてもおかしくなかったのですが。
優勝メンバー最後の生き残り熊谷紗希さんは31歳、真奈ちゃん29歳。なでしこの次世代を担うと期待していた猶本光ちゃん、国内リーグで得点王を続けた田中美南もいつしか28歳、もしかしたらこうしたベテランの実績ある選手たちから若手に切り替える節目なのかもしれません。
2018 FIFA U-20女子ワールドカップでヤングなでしこが優勝を果たしました。その時のメンバーは、北村菜々美、南萌華、林穂之香、宮澤ひなた、長野風花、遠藤純、宝田沙織、植木理子さんなどで、今回のフル代表に選ばれています。
次世代には、小山史乃観ちゃん、浜野まいか、藤野あおばちゃんなど17,18歳の期待の若手も居ます。この際大幅に入れ替えてみるしか無かろうと思います。
あと1年あります。今更何を食べても身長は大きくならないでしょう。圧倒的な体格とスピードの劣勢をはねのけ、簡単なボールロスを無くすには、機械の様な精確で強いパスを出すのが大事で、それを受け止める高いトラップ能力と準備が必要です。突進する相手を止める体の使い方、一瞬の瞬発力を磨く、1対1で負けないフィジカルコンタクトと相手をかわす技術を上げる、などやるべきことは多いのです。
ナデシコには、このまま弱小化しないで輝きを取り戻してほしい、と希うばかりであります。
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