植物園「 槐松亭 」

バラと蘭とその他もろもろの植物に囲まれ、野鳥と甲斐犬すみれと暮らす

もう無理 ワタシのことはほっといて

2021年06月15日 | 日記
何かを得れば何かを失う、何かを始めれば何かを終える、これが現世の理であります。一つのことを成就させるのに犠牲がつきもの、とも言えます。

 ヤフオクで沢山落札出来れば、蓄えが減ります。果実も熟してくると味見するので収穫時期には大分その終了を減らしてしまいます。オリンピックで得るものがあるならば、それによって失う人命が増え、安心できる生活・経済の回復が遠のくのかもしれません。

 目下、もっとも失いつつあるのは自分の時間です。生きた年数が増えた分だけ存命できる年数は減る、これは致し方ありません。いくら早起きしても一日の活動時間は増えません。早起きした分だけ早く就寝するだけです。ここ5年間はマイペースそのもので、定年後始めたガーデニングや書道で一日がゆったりと過ごせたのです。ところが昨年暮れから突如目覚めた「篆刻」がわたし自身の時間割を変えるようになりました。一日一刻運動を始めたので、平均して2時間ほどは篆刻の関係に時間を割かれております。彫った数も150本を越えました。

 それはそれで、自分の趣味の範疇なのでどうということはありません。しかし、問題は4月からスタートした自治会の役員の仕事なのです。平日も土日も関係なし、ある日は早朝から清掃、ある時は午後7時から会合などのイベント・集まりが毎週のように始まりました。それ以外にも資料や書類作成、電話による連絡調整事が頻繁に生じるようになりました。スマホは、ライン、ゲーム・ネット検索・写真投稿などに使っていて、電話としての使用は滅多になかったのに、日に何度も電話がかかってくるのです。更に御神輿も今年は規模を縮小して実施が決まりました。「評議員」という役に付いているので来月三日間はこれに充てることになりました。

 それまでは、ゴミの日と、マッサージの予約日さえ忘れなければ済んだものが、毎朝カレンダーに書かれた(家内がメモしてくれております)予定をチェックすることが習慣となりました。その拘束時間や自治会に費やした手間暇を計算するほど暇ではありませんが、確実に他のものに影響が出ております。

 第一にツムツムのプレー回数が大幅に減りました。ボケ対策に最適、と信じ日に多い時は100プレーしてましたが、ゆっくり時間が無くなってせいぜい2,30回となっています。同じようにGSという植物写真投稿サイト「グリーンスナップ」も閲覧したりコメントする時間が取れないのです。ヤフオク含め一定時間続けてスマホを操作出来なくなりました。

 勿論夜ぼんやりとテレビを見居る時間も少なく、痛む手をハンドマッサージャーに突っ込み、家内の町内事情・情報の聴取をしながら、line・メールチェックなどをいたしております。5年間続けていた園芸ダイアリー(日記)もここ1か月空欄のままになりました。

 雨が降って草が伸び放題なのですが、草取りの時間もままならないのです。それでもブドウとスイカの栽培は最優先なので、すいかのツルの整理や人工授粉は欠かしません。ブドウに集まるコガネムシの駆除も2週間ほど前から毎朝の日課です。まだシーズンは始まったばかりで、最盛期には一度に2,30匹駆除いたします。今朝は、果樹エリアにコガネムシの幼虫対策の駆除剤「ダイアジノン」を一袋撒きました。

 気が付くたびにブドウの房の整粒も遅まきながら実施し、雨にかかる場所についたブドウはもったいないですが切り取ってしまいます。すでに黒糖病という病気になってるので、袋掛けしても収穫して食べられるようにはなりません。房と粒の総量を減らせば、それだけ健康な一粒当たりに回る栄養分が増え甘くて大粒のブドウになるのです。

 先ほど茄子ときゅうりを収穫した後、今年4回目のぼかし肥料作り(有機物を有酸素で発酵させる)、発酵熱で熱く蒸気が立ち上る中、材料の水分を飛ばし空気が混じるよう撹拌いたしました。10日ほどこれを毎日続けると万能のスーパー有機肥料が出来ます。忙しくてもこれを怠るわけにはまいりません。水が一か所にたまると腐敗し、虫が卵を産み付けるのでよく混ぜるのであります。

 水温が上がって活動が活発な数千匹のメダカたちの世話も欠かせません。一定間隔で周期的に十数個のプールの水替えと、採卵、孵化の環境づくりなども毎日続けています。書道も1時間以上の時間が作れません。篆刻印もほとんど印稿作りを省き、印面にラフにペンで下書きしていきなり彫り始めると言った有様であります。

 あぁ、それなのに。また大変なことを引き受けてしまいました。先祖代々のお墓がある菩提寺の御住職直々に、ある仕事の依頼がきました。(もちろん無報酬)、内容は差しさわりがあるといけないのでここでは伏すことにいたしますが、今月中に仕上げなけらばならないのです。おそらく一生で最初で最後の名誉がある責任が重い大事なことを、偉いお坊さんが名指しで来たのですから、これは何が何でもやり遂げなければならぬ、そんな覚悟でお引き受けいたしたのです。

 もはやブログなぞ更新している場合ではないのかもしれません。

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香りの白花 4題

2021年06月14日 | 植物
チユウキンレン(地湧金蓮)の株分けをしてから3年近く経過しました。それより3年前に開花株を購入して以来一度も咲きません。株分けして5片に切り分け鉢植えに植え替え、一番大きく株を残したものは翌年に地植えしたのです。二鉢はいつもの花屋さんに持ち込んで即日売れました。株も太ってきて背丈ほどに葉っぱが広がるようになったので、今年は開花するはずだったのです。しかし、この時期になっても葉っぱしか生えてきません。開花するとタケノコのような花が半年咲き続けるのですが、非常に残念であります。

 肥料不足、日照、水分などが関係するのでしょうが、仕方ありません来年期待しましょう。
これ以外に実生株を含めて3鉢あります。いずれもまだ幼い株なので開花は見込めません。

 もう一つ今年の開花を期待していた「イランイラン」、熱帯性で香りがいい花を咲かせるので、シャネルの香水の原料になります。これを購入したのは5年ほど前になりましょうか。
冬は屋上の温室に入れて冬越しさせ大事に育ててきたつもりで、鉢の高さを入れる2M近くになりましたが、一度も花蕾をつけません。
 数年前、ワタシがゴルフに出かけて閉めっぱなしにした温室内が60℃になったのが致命的だったかもしれません。その時、ライチなど数本の熱帯性の植物がいっぺんに熱死しました。花をつける機能が失われ落語で言う「バカ」になったのかも。鉢が重たく屋外に入れたり出したりもしんどいので今年咲かなければ諦めるつもりであります。

 とはいえ、ここのところで何種類ものちょっと珍しい植物達が白い花を咲かせてくれました。
 これは、幾度か紹介していますが、槐松亭おすすめの「スパイダーリリー」です。独特のフォルムが蜘蛛に似ていることから名づけられたようです。芳香があり純白の花弁も素晴らしい球根植物です。寒さに弱いので室内で冬越しさせます。

 こちらは、着生植物 (樹上の植物)「風蘭」であります。故郷九州の神社に立った市で買い求めて6年になりました。柿の古木に張り付けられていましたが、柿の木は風化してぼろぼろになってきたので籠に入れてつるしています。白い小花は、夜間のみに香水のような馥郁とした香りを漂わるのです。

昨夜は、今年2度目の「満月美人」の開花でした。こちらもおしろいのような香りをふりまき一夜にして萎れてしまいます。一夜限りに咲く妖しい花とその香りは、月の下でほほ笑む美しい妓楼と重なりますね。台湾原産、寒さに弱いので室内で冬を越します。クジャクサボテン、月下美人のお仲間です。

 
ご存じ「タイサンボク(マグノリア)」です。一日で花弁が、はらりと落ちてしまう大きな白花で、上品な香りを漂わせます。公園などで見かけるので珍しくはありません。しかし、ウチのは鉢植えで樹高も1mちょっとなのです。おそらく樹齢20年以上、知り合いの方に頂いて鉢のままになっていますが、鉢植えでタイサンボクが咲くのは珍しいのです。さすがにこの花が終わったら地植えしようと思います。

本日は久しぶりの恵みの雨であります。
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オリンピックに夢も感動もいらない

2021年06月13日 | 時事
 近代オリンピックの提唱者は 、クーベルタン男爵「参加することに意義がある」という言葉はあまりにも有名ですが、今やその文句は空疎となりました。あのぼったくり男爵なら「オリンピックは開催しなければ金にならぬ。」と言うところですね。

 菅総理がG7で「世界が団結し、人類の努力と英知によって難局を乗り越えていけることを発信する。中略 子供や若者に夢や感動を伝える」ために五輪開催を強行するのだそうです。ワタシ達は日常的に色々なスポーツや、ドラマ、映画などを通して勇気づけたり、狂喜乱舞したり、時には涙したりもします。オリンピックじゃなくても感動を得ております。例えば、自分の孫が徒競走で必死に走っている、その姿に孫の成長とこれからの人生を思いやり、大きな喜びを感じます。歌一つで涙がにじむこともあります。

 夢とか感動などという抽象的かつ主観的な感情を理由に、人命や生活を犠牲にしてはならないと思うのです。もっと大事なこと、もっと今なすべきことがあり、その先にようやく光が見えるのだと思います。

 ここからはワタシの独断とひねくれた偏見であります。
 子供の親がわが子にスポーツをさせる目的の大半が、それで大金を稼げるようになるかもしれない、ということです。昔ならばプロ野球がスポーツの花形、Jリーグで盛り上がれば息子も「カズ」のようになるのでは、と淡い期待を寄せます。タイガーウッズのように、イチローのように、がっぽりと稼いでくれたらと思うのであります。

 凡庸な頭の自分とわが子をみて、肉体で稼ごうというのは分からないわけではありません。オリンピックに出てメダルをとれば、人生が変わりうまくすれば一生メダリストとして食っていけます。プロ野球の選手がメジャーに挑戦したがるのも、ワールドカップに出て海外チームに移籍する、などというのも突き詰めればお金をもっと稼ごうということであります。

 崇高な精神、純粋にスポーツを愛する方たちからしたら、なんと下世話で低俗な理屈だと言うかもしれんませんが、プロスポーツに限らず、半生をスポーツ競技に捧げる人たちは、無報酬で満足するわけも無く、金を払ってスポーツ競技に参加する人は市民マラソンくらいのものになります。オリンピックの舞台を踏み台にして栄光と金を手にしたい、というのがアスリートの夢なんですね。
「きれいごと言ってるんじゃないよ」

 五輪、は金の為なんですよ。
そしたら、JOC幹部の経理部長森谷さんが電車にはねられて亡くなりました。以前から週刊誌に何度も取り上がられているオリンピックにまつわる不透明な巨額な資金の実態を知ってる当事者の一人です。すでにして、招致した際にオリンピック選考関係者に莫大なお金が配られていることは周知の事実であります。週刊誌やネットでは様々な憶測や中傷記事が出ております。真相がわからぬまま論評は出来ません。監視カメラと目撃証言から「事故ではなく」「飛び込み自殺」と警察は断定してるようです。

 しかし、テレビでそのニュースを報道しているさ中に、ゾウが暴れているつまらぬ海外トピックスに差し替えられました。そしてJOCの山下会長が、自殺ではなく「事故死」と打ち消したことに、その裏にある闇の深さ、 おぞましさを感じざるを得ませんでした。

 人の一生を「病気や寿命でない」かたちで終えるのには理由と意味があります。そうでなくても、その死が伝える思いやメッセージを考える必要があるのだと思います。あのノンキャリアの赤木さんが自殺したのにも深いわけがありましたが、検察も財務省も政府も「何の意味も無い自殺」として扱い、ファイルの存在も認めませんでした。出て来る資料は黒く塗りつぶされました。訴えたかった事残したかったことが黒塗りのまま消え去ろうとしています。
 池田小学校で刺殺された児童たち、池袋で暴走上級国民に跳ね飛ばされた母子、みんなその死の意味、死なずにいられたはずの命の尊さを忘れてはならないと思います。

 若者たちに夢を与えるのは、スポーツではなく、みんなが安心して仕事に就いて家族を持て、老後のゆとりまで保障される、そんな国家や社会になることなんじゃありませんか。

 いまだにオリンピックを強行しようとする金の亡者たち、あなたたちに「夢や感動」などを口にしてほしくはありません。死んだら忘れ去ってしまいたいおぞましい存在なのです。
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報酬8万円・年中無休だけど、優雅で恵まれてます

2021年06月12日 | 雑感
 昨日のブログで書いたように、昨夜はヤフオクで一勝負かけるつもりでした。2万円はいける、と。
名人の手になると思われる気になる篆刻印用の印材(刻字済)「まとめて数十個」の出品分が落札期限でしたから。

 8件ばかりに、それぞれやや高めの5,6千円で入札したまでは計画通り、しかし、ヤフオクの入札競争のラストスパートは、夜10時前後で残り数分でどっと札が入るのです。本当に落としたかったら、金額が高値更新されたらすぐさま新たに入札するのですが、ここで思いとどまるのがワタシなのです。

 2,3人で最後のデッドヒートになると、自分の予定金額(品物の評価額)に関わらず、むきになって値段を吊り上げていきます。もし、落札したらとんでもなく高値になっていて、翌朝後悔する、これを恐れるからです。夜は人間を変えるのです。アツくなる人はやめたほうがいいですね。ワタシは入札欲より睡魔に負けてしまうので結果を見ずして眠ってしまいます。

 そうまでして欲しくないワイ、そんなに欲しければどうぞ、という気持ちで臨む結果、ほとんどの応札品は他の方に持っていかれますが、まぁそれでよろしかろうと思います。それで、結局1件印材25個を4100円でゲットいたしました。今回の印材は石は高級なものがなく、印面の彫りを見て研究したい、その授業料ですから妥当な線ですね。

 それはともかく、このところのガーデニングやメダカ養殖、書道、自治会などの激務に忙殺されて、本業の会社の会計処理を失念いたしておりました。ワタシの経営する会社は、資本金数百万円のれっきとした株式会社で、妻が社長、ワタシが専務でありますが、従業員0,企画部、経理部も営業部もなにもありません。ワタシが経理から総務・清掃管理までほとんどすべてこなしております。社長は月一回銀行に行って給料などを下ろすのが主業務です。不動産賃貸管理(物件は一個だけ)会社なので、決まったお金の動き以外はほとんど変化も無く、企業活動など無いに等しいのです。

 ワタシの仕事は、貸しているコンビニ店の周囲の清掃や緑地の草取りと植物の世話、そして会計処理です。といっても、経理全般はすべて先代からの税理士に丸投げ、預金の動きと現金の出入りをパソコンに記入して出納帳を作るだけの作業なので、2か月分の事務も半日で出来上がります。元帳やら伝票なども一切無く、出納帳が出来たら領収書と一緒に税理士に郵送しておしまい、楽なものであります。

 仕事場は、自宅から徒歩5分のコンビニ店の周囲と2階にあるオフィスであります。もうこれ以上ないほど恵まれた環境です。日中は家内と顔を突き合わせることがないのでケンカも口論も無し、園芸とメダカ、書道・篆刻を好きなようにやれます。コンビニ店の2階に暮らす便利さは想像以上です。下に行けばFax/コピー機があり、電子レンジ・大型冷蔵庫があり、足りないものはほぼすべて揃います。最近では郵便ポストが新設されました。

 ガーデニングは周囲の植え込みやその裏手の緑地で、四季折々に野菜が採れ、果物も木成りをそのままもいで食べられるのです。熱中症になりかけても、補水液が数メートルあれば飲めます。涼しい木陰があり、セブンカフェでお菓子とお茶がいただけます。

天然のクーラーで涼風が吹き渡るシャインマスカットの棚の下、ここは、言うなれば休憩室といったところでしょうか。

 土曜も日曜も無いことを除けば、大企業の本社ビル並みであります。丸の内やヒルズの方の一等地にあるオフィスで働ける人たちはさぞかし便利でしょうが、徒歩数分で職場があり趣味と仕事が一緒くた、誰とも顔を合わせずに済み、コストはほとんどかからないという意味ではワタシの方がはるかに恵まれているのです。少しグレードは落ちますが歩いて5分のところにドラッグストア・ホームセンターとオリンピックもあります。かかりつけのクリニックも徒歩圏。

 ワタシは年中無休で、朝5時前からゴミ拾いなどをやっております。以前会計処理していて預金通帳から8万円が引かれているのに領収書が無く、社長(家内)に内容を尋ねたことがあります。言われてみればワタシの給料だったんですね(笑)。面倒なので食費として家内に渡す決め事になっておりました。ワタシの手元には何も残りませんが、その分外食して支払いは家内なのでどうということもありません。

 さてそれでは、メダカに餌をやったら8万円なりの仕事に取り掛かるといたしましょう。
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安物買いにも楽しみ方がある

2021年06月11日 | 篆刻
 相変わらずチマチマとヤフオクのお品を落札しております。以前と比べて落札件数は大幅に減り、入札件数に対する落札率は1割程度になっております。これはいいな、といったものに「ウオッチ」のチェックを入れて、実際に入札するのは半分程度、値段が吊り上がっていくものはパスしています。原則として上限が1万円としているので、高額なものは手を出さないというのが散財やエスカレートした後の後悔を防ぐ防波堤であります。

 ためしに過去10回分計算したら、落札価格は平均3千円でした。これではお父さんが帰りに一杯、というレベルなので、週に2,3回落札してもどうということはありません。宝くじで月に何万円も買い込んだりスクラッチくじをこすっているのに比べたらなんぼかましでしょう。

 当然ながら、箱を開けてみると値段相応で、中途半端なもの、自分が想像したものと様子がちがうものも多いのです。写真と短い説明だけで応札するのですから情報が限られます。何万円にもなるような品ならば、海千山千の大勢の人が高値で入札するのですから、だいたいは貴重で価値があるに相違ないのです。しかし、オークションにポンと大金を出すほど懐に余裕があるわけも無し、安物に手を出せばお宝に巡り合う確率は下がります。そうは甘くないのです。

 それでも、十把ひとからげの「印材まとめて」の数千円のオークションなどに惹かれる理由は、良品が紛れ込んできたりして、ささやかな「儲けた感」が得られることにあります。自分が「これはひょっとすると」と思った貴重な印材、プロの篆刻家さんの手になる名刻などがかなりの確率で混入しているのです。

 最近落札した品物がこれです。
これだけで、6回の落札分の一部を並べてあります。
まず中央の印泥、これは詰め替え用の印泥で、容器(印合)は以前あった空のものに詰めました。これは印泥の中では品質がいいと言われる「式熊印泥」というブランドで、高価で流通量が少なく、数十年前のものはヤフオクでも滅多に出品されません。その時代や等級と容量(目方)で値段も相当違いがあるのですが、ワタシの手許には無くどうしても欲しかったのです。オークションの写真では、包んだビニールに¥3000,30gの表記がありました。よく見ると30gの3に手書きで5と書き直されていたのです。日本で現在市販されている「式熊上品30g」が箱と印合つきで6千円位。これを3200円で落札しました。定価3千円なら損になる計算ですが、届いたものを量ると50g、つまり2,30年前に5千円相当であったと思われるのです。これはちょっと得した気分なんですね。

 次は下に敷いている半紙で、「麒麟」と命名された三椏の国産手漉2箱で、4980円でした。ワタシのひいきにしている伊予半紙です。手漉きの半紙は安い外国産でも一枚最低4円、高い国産だと20円近く致します。届いたものを見てみると非常に薄く、肌理が細かい紙質でした。滲みが少なく繊維が細いため仮名書きに適しているのですが、なんと一箱2000枚、入っていたのです。一枚1円強で入手できたのです。

 更に真ん中にある印材二つは、小さいながらワタシが収集対象にしている「鶏血石」でありました。この大きさでも一個5千円は下らないのです。これがまとめて76点の印材8500円の中に隠れていました。

 真ん中左の小さな印箱、これは残念ながら失敗の部類でありました。20個で4400円、箱が浅くて普通の印材が収まらないのです。なんでこんな物を作るかなぁ?まぁ仕方ない、そのうち使い道があるでしょう。

 左の小さな木箱に入った印は32個で1500円の印材でありました。ワタシはよく見ないで、安いからつい入札したのですが、想像したものの1/4くらいのサイズでした。一個平均30gで47円!「うわ、ちっちゃ!これなら他の人も手を出さないわけだ」と思いました。ところが、実際に小さいもので5㎜前後の印面を見てみると、精緻で丁寧な出来なのです。上手な方が彫ったもので参考になる印ばかりでした。
一つだけ側款があり「鬼游 」と刻名されていました。埼玉県の篆刻家さんで、いくつか賞も取っている人のようです。こうした専門家の彫った印は、中古品としての取引価値などは問題でなく、真似して彫ることで技術を高める(盗める)のです。

 これで、同じ出品者さんがまだ同様のお品を「まとめて」で6、7件出品してるのです。今度は、一個当たり100g~200gあります。印材そのものは普及品の青田石・寿山石主体なのですが、ワタシの読みでは、伊東鬼游さんの作が多数含まれているはずなのです。(おそらく鬼游さんの遺品整理かご自身の終活かでしょう)
 今日のヤフオクは、ガーンといこうと思います。篆刻の技術向上の為であります。2万円の特別予算を組むことにいたします。
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