富岡製糸場、世界遺産、片倉工業の貢献に感心しました。

2019-04-21 | 歴史、

近代日本のルーツを訪ねる上州路の旅で①富岡製糸場と安中へ

バスツアーで行って参りました。往路でいつもK先生(高校の歴史の先生)が

歴史解説を分かりやすく講義してくださいますのでより多く感動があります。


世界遺産と称されると何か壮麗で豪華なイメージが先行して、既に見学した方達から

「期待外れ」などの言葉を聞いたりしましたが、近代産業に寄与し110年間稼働し続けた

当時世界最大の木骨レンガ造の建造物群が良好な状態で維持されて

いるのですから長い目で大切に見守ってあげたらいいと思いました。

確かに現在公開されているのは敷地の3分の1程度で物足りなさはあります。

国宝などの建造物は工事中で、この先順次公開されて目玉施設の文化財が完全な状態で

見学できるのは、かなり先のようです。修復には大変な費用がかかるようです。

世界遺産に登録されたからと言って、ユネスコからお金が入ってくるわけではないので

観光など自助努力で資金を集めるしかないわけです。

それにつけても最後の持ち主であった片倉工業がバブル期の1987年に閉業した後も

「売らない、貸さない、壊さない」の方針を堅持して固定資産税等1億円以上

掛かったこともあるとされる中、地元の要請もあったと思われますが

この建物の真の価値を見抜いてか、これを他社などに売り払うことをしないで

良好な保存状態で維持し続けたことに私は感動しました。

もし価値の分からない所有者に譲渡され建物が取り壊されていたら

この世界遺産はどうなっていたかなどと思ったりしました。

やはりこの製糸工場は初めから地元に歓迎され所有者に大切されて

今日に至っているのだなと思いました。蛇足ですが私は20代の頃

京橋に在る会社に勤めていましたが、その会社と鍛冶橋通りを挟んで

斜向かいに建っていたのが趣のある片倉工業のビルでした。

富岡製糸場は仏人技師、ポール・ブリュナが設計を主導

冨岡市は平成27年、その生誕地であるブール・ド・ペアージュ(フランス)と

友好都市協定を結んでいるそうです。でも火災が一番怖いですね。

パリ中心部にある世界遺産のノートルダム大聖堂で起きた大火災は

他人事ではありません。修復募金をはじめたそうです。