行雲流水の如くに

「天為の国」日本は「人為の国」ヨーロッパを理解できない

日本の国土をどう定義づけるかは議論が分かれる。

ただ体感としていえることは、地震、風水害、雪害などがめちゃくちゃに多い国土だということだ。

しかもこの災害は突然襲って来る。いかに対策を立てようが自然の脅威は半端でない。

そこから生まれた考え方は「流れに身を任せる」ということか。

鴨長明の方丈記の一節、

ゆく河の流れは絶えずして、しかももとの水にあらず。よどみに浮かぶうたかたは、かつ消えかつ結びて、久しくとどまりたるためしなし。世の中にある人とすみかと、またかくのごとし。

 

一方、ヨーロッパは地震もなく台風なども来ない。

だから自然も建築物も人の手によらなければ変化しない。

自然と共生するよりも自然を克服すると考える。

ところが気候風土に恵まれているが、民族や宗教が入り組んでいるので、ひとたび戦乱が起きると目を背けるような虐殺が行われる。

人権や自由を勝ち取ったと言われるフランス革命では150万人の犠牲者が出た。

大石久和氏は「国土が日本人の謎を解く」の中で次のように語る。

「人命を賭してでも実現しなければならない正義がある」というのが、西洋文明の根幹にあるからこそ、フランス革命の厖大な死も、宗教戦争による死も生まれたのである。

ところが、われわれ日本人は「殺人を犯してまで実現すべき正義など一つもない」と考えているのだ。

 

もう一つ日本人が理解できない部分に、「市民」がある。

ヨーロッパにおいて市民とは、「責任を果たすことを約束したことで安全な城壁内に住む権利を得た人」を指す言葉だ。

ウクライナの人たちが守ろうとしているのは、奴隷のようにロシアに隷属した国家ではなく、自由・平等・博愛が認められる国家なのであろう。

われわれ日本人は、

自然災害は多いが他民族からの侵入がほとんどなく、血で血を洗うような虐殺がなかった日本の「地政学的な立地」に感謝すべきなのだろう。


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