分厚い中間層を作るというのが戦後一貫して自民党のスタンスだった。
ところが小泉純一郎政権のころから「新自由主義」に舵を切った。
功罪いろいろあるが、最大の罪は非正規労働者の拡大に舵を切り格差拡大を進めたことだろう。
これにより「分厚い中間層」がシロアリの蚕食を受けるように崩壊して行った。
第二次安倍政権で持ち出したのは、歴史修正主義と伝統的家族観だ。
歴史修正主義とは客観的な史実を無視して自分の歴史認識を主張する立場。
事実を直視しないから、問い詰められると嘘をつくようになる。
まさにモラルへの攻撃だ。
伝統的家族観は女性を事実上家庭に押し込める考え方。
旧統一教会絡みと日本会議や神道政治連盟の影が浮かぶ。
菅・岸田政権もこの安倍政治の流れの中にある。
そして自民党総裁選の有力候補の石破・小泉・高市の誰がなっても、安倍派が存続する限りはこのくびきから抜け出せないだろう。
皮肉なことだが、自民党政権が見失った「分厚い中間層の再興」の旗を立てているのが立憲民主党だ。
リベラルの色が濃いと言われる立民だが、もはやイデオロギーで解決する時代ではなくなった。
下位に落ちまいと必死に戦っている中間層に厚い支援の輪を延ばすべきだろう。
経済や外交・安全保障で与野党の政策の差は無くなるが、「生活者目線」のある政党に支持が集まる。
「誠実さ」や「倫理的かどうか」なども大きな評価ポイントになる。
ますます有権者の事実を見る目が試されるだろう。