仕事を頼むときに「暇そうにしている人」に頼むと、あまり良い結果を生まない。
締めきりに間に合わないか、出来上がった中身がとんでもないものだったりする。
それで、やむなく忙しそうにしている人に頼むのだが、そのほうが間違いない。
食堂やレストランもそうだ。
待っている客がいる店の方が美味い。
待つのが嫌なので暇そうな店に入ると、まずかったり、ひどい時は食中毒になる。
回転が悪いので食材が古くなるのだ。
きちんとした仕事とは、何よりもそれが最優先する。
大人の男が朝目覚めて、最初に考えるものである。 伊集院静
リタイアしてもう20年近くなるのでこんな感覚はもうどこにもない。
一日、一日が何事もなく淡々と過ぎ去ることがこのましい。
風、疎竹に来る。風過ぎて竹に声を留めず。 菜根譚
風がまばらに生えた竹林に当たると、竹の葉がさやさやと鳴る。しかし風が過ぎ去ると、竹には何事も無かったかのように音もない。
北海道の冬もようやく終わりに近づいた。
来週からは最高気温がプラスになる。
吹雪というのはなんとも理不尽なことだと思うが、それを乗り越えれば春がやって来る。
世の中の肌触りを覚えるには、理不尽と出逢うのがいい。ひとつひとつを乗り越えていけば、笑い話にさえなる。伊集院静