はたらけど
はたらけど猶我が生活(くらし)楽にならざり
じっと手を見る 石川啄木
このところのコロナ過で、啄木のような人たちが増えているのではなかろうか?
何ともやるせない話だが「豊かさ」を別の角度から考えてみよう。
「イースタリンの逆説」という法則がある。
年間所得が増えても生活の満足度は上がらない、という法則だ。
豊かさ(お金)の絶対量ではなく、暮らしが豊かになっていく過程が幸福をもたらす。
日本の場合で言えば昭和30~40年代がそうだったのだろう。
ところが経済成長が減速しだすと、当然幸福度は落ちてくる。
そこで日本が嵌った罠は、バブル経済を引き起こすことであり、バブルが破裂した後は「ワーカーホリック」社会を生み出した。
本来は「別の道」を探すべきだったのだが、最悪の選択をしたようだ。
「江戸っ子の生まれ損ない金を溜め」
江戸の庶民は貧乏を楽しんでいたように思える。
みんなが貧乏だったからライバル意識もなくお互い助け合って生きていたのだろう。
案外こちらの方が幸せそうに見える。
現在の日本は高齢者が増えた成熟社会に到達した。
かってのような経済成長一本槍では進めないだろう。
そうすると、のんびり・ゆったり生きる方が良い。
新自由主義は、ますます格差を拡げ、軌道修正しなければ、大部分の日本人が貧乏か、ほどほに貧乏になる。
これを解消するためには、富裕層への増税であり法人への課税強化だ。
その財源を以て消費税を下げることだ。
言葉は悪いが「金持ちからふんだくる」政策ということになる。
こんな政策を打ち出す政党ならば応援しよう。
この政策は自民党は無理だろうから、野党がどこまで腹を括れるかだ。
ヤマモミジ