フジテレビの女性アナとのトラブルが露見した中居正広氏は引退に追い込まれた。
「この件はなかったことにしよう」という経営幹部の目論見はもろくも崩れて天下に赤っ恥をさらしてしまった。
主要な幹部は辞任することになったがやむを得ないだろう。
ただ、事実上の最高権力者である日枝相談役は居座ったままだ。
これから延々と追及は続くだろうから、早くやめた方がすっきりすると思うのだが。
権力の椅子はよほど座り心地が良いのだろう。
日枝久が西の横綱だとしたら、東の横綱は何といっても先日亡くなった読売新聞の渡辺恒雄だろう。
共に長期政権を続けて独裁的権限を行使した。
渡辺恒雄発言、
「取材するやつが、取材対象にあまり近寄っちゃいかん」と馬鹿なことを言うやつがいるが、近寄らなきゃネタは取れない。
才能のある奴なんか邪魔だ。俺の言うことに忠実に従うやつだけが優秀だ。
マスコミの上層部は表面的には権力批判のスタンスをとっているが、裏ではがっちり手を握っている。
日枝は放送を所管する総務省から天下りを受け入れている。
元情報流通行政局長の山田真貴子を社外取締役に引き込んでいるのだ。
(菅首相の長男が在社した東北新社からの高額接待を受けて辞任した)
権力の監視役たるメディアのトップがこのレベルでは、日本の報道の自由度は下がる一方だ。
フジテレビの中堅・若手から日枝批判が出ており経営刷新を求めていることはせめてもの救いか。
他の放送局や新聞その他のメディアも「真実を公正に伝える役割」に意を注いでほしいものだ。