中居正広さんの女性トラブル問題が、とうとう会長・社長の辞任に発展した。
過去の成功体験から脱却できぬまま、時代の変化についていけなくなっていたのだろう。
それにしても時代の風を敏感に察知すべき経営陣が、日枝相談役(87歳)の院政のなすがままだったとは。
日枝相談役の責任は大きい。
「枯魚河を過ぎて泣く」ということわざがある。
魚の干物が、もと住んでいた川を通り過ぎるとき、人に捕らえられてしまった軽率を泣く、ということ。
そこから人は出処進退を慎重にしなければならないたとえ。
それにしてもマスメディアは、読売新聞の渡辺恒雄元会長をはじめ高齢の経営者が多いのはなぜなのだろう?
意外と古い体質なのかもしれない。
「打落水狗」ということわざがある。
魯迅が「水に落ちた犬は打つな」と言ったのだが、毛沢東がこの言葉を逆用して文化革命の時に失脚して処罰された「革命の敵」に、なおも一層徹底的に処罰した。
フジテレビの経営陣が釈明会見を行ったのだが、マスコミ各社の記者たちはここぞとばかりにたたきに回った。
既に勝負のついた相手に対し更なる攻撃を加えないというのが、武士の礼儀。
相撲においても勝負のついた相手に対し「ダメ押し」をするのは品格がないと嫌われる。
記者魂は強い相手に立ち向かってこそ称賛される。
「吠えない犬になるな」