楽観主義というのは、世の中がそれなりに動いている時には効果がある。
しかし危急存亡のときに甘えたことを言っていては身の破滅につながることは歴史が証明している。
菅首相の取り巻きが良くない。
安易な楽観論を吹き込む。あまり本を読んでいるとも思えないガース首相はコロリと引っかかる。
最近では高橋洋一なる経済評論家がニタニタ笑いながらもっともらしい図表を使って飛沫感染菌を吹き込んだ。
「日本はこの程度の”さざ波”。これで五輪中止という笑笑」
このツイッターを書く数日前に菅首相と会っている。当然同じ話を吹き込んだのだろう。
安倍・菅政権の8年間、国権の最高機関たる国会で「うそ」をつきとおした。
野党がシャカリキに追求しても多勢に無勢。
自民・公明は口を拭い、それを漫然と見逃した国民も、いまやその咎を受けている。
公文書改ざん・隠ぺいを繰り返した安倍・菅政権に、国民が厳しく対応していればもう少しコロナと真剣に向き合っただろう。
魚の頭が腐れば地方の首長までもが伝染したのか、どうしようもない腐臭が漂う。
山本七平が言うようにこの国には「奇妙な平等主義」がある。
抜け駆けのように黙って人より先にワクチンを打つなど許せないのだ。
これを擁護する人間がいるようだが(杉村太蔵や橋下徹)どうせ同じタイプなのだろう。
日本においては階級が上だから富においても上だとは限らない。
孝明天皇の食事は貧しく、酢のような酒をわずかに飲んでいたという。
将軍も似たようなもので、「質素倹約」というのは日本の良き美風だった。
伝統によって形成された民族文化は、外部から見たら不合理かもしれないが、それなりに均衡を得ていた。
戦後、特に小泉政権、安倍・菅政権以降ひどくなったが、新自由主義的経済思考に傾き過ぎた。
その結果、もともと日本にあった伝統的な思考がズタズタにされている。
「奇妙な平等主義」は日本の基層にある我々が大切にすべき文化である。