権力闘争に生き残るためのコツとは?
愛想を見せながらも抜け目なく、民主的に振舞いながらも狡猾に立ち回ることが肝要
政界で「いい人間」と言うのは生き残れない。
嘘をつくときは嘘をつき通す。例えば安倍晋三などがそうだ。
中身が何もなくても岸信介や佐藤栄作の閨閥の威光で周りが評価してくれる。
自民党細田派の下村博文と稲田朋美が「新たな国家ビジョンを考える議員連盟」を立ち上げた。
明らかに「ポスト安倍」を狙ったものだ。
130人を超える議員が集まったようだが、本気で支える人間はどのくらいいるのだろうか?
安倍晋三は自派(細田派)から後継者を選ばず、岸田文雄を推している。
下村や稲田にしてみれば面白くない。
さらにイライラするのは同じ派閥の西村康稔がコロナ対策で脚光を浴びている。
焦るわけだ。
コロナでつぶれた「ポスト安倍」候補(岸田、加藤、菅)
ポスト安倍の一番手は岸田文雄だった。
しかし緊急経済対策の中心にいたのだが、今一つ歯切れが悪く、二階幹事長と公明党山口代表の巻き返しに、なすすべなく惨敗。
厚生労働大臣の加藤勝信もコロナ対策で成果を上げれば有力候補に浮上するところだったが、官僚臭が目に付くのと、覇気に乏しく脱落。
昨年4月に「令和おじさん」で人気急浮上した菅義偉は、安倍晋三との不仲が噂され、さらには菅側近の不祥事がマスコミネタになり脱落。
その中で石破茂は相対的に浮上。二階幹事長に急接近して意欲満々。
「ポスト安倍」候補が軒並み脱落してくると、軽中級クラスで俄然色気を出してきたのが、下村博文と稲田朋美。
来年9月には自民党総裁選がある。
勢いとはすなわち「気」である。人々の気を集めたものが勝利を得るだろう。
激水の早くして 石を漂わすに至るは、勢いなり 孫子