メイサと7人の外国人たち

アラサー元お水とキャラの濃い外国人達の冒険記

意地悪されたいんでしょ?

2018-10-06 02:03:59 | 咲人
「咲人、なんで、そんなこと言ったの?」




私は強張る唇から何とか言葉を紡いだ。
咲人は間髪入れずに答えた。




「いつも新しい言葉を習ったら、君の名前で練習するだろ」




う、うそつき!!!

だって

もし本当にただそれだけだったら

今、私の質問の意味、わからなかったと思う!!




「ウソつき!」

「ウソつきじゃないよ。じゃ、寝…」

「さ、咲人、今日は意地悪過ぎ!」

「そんな事ないよ」

「あるよ!」

「ま、ちょっと、そうかもね」




咲人はこともなげに、を装って続けた。




「でもそれは、君が意地悪されるのが好きだからだろ」

「そんな事ないわ!(笑)」

「あ、そう?ごめんね(笑)」




もうぅ〜〜〜と私は目を覆った。
あんなこと言われて、普通になんて話せない。
四肢と唇を動かす能力を失ったみたい。
いつもの咲人なら、私がウ〜ンと唸っているのを聞いたら笑いそうなものだったが、
彼はいつもの偉そうな態度を見せなかった。
彼はただ黙っていた。



「……じゃ、メイサ」

「……はい」

「また明日」



また明日話すの?



「うん。また明日ね…」

「うん……」



何だか変雰囲気だ。
私は言葉を絞り出した。



「おやすみ」



咲人も、日本語で答えた。




「オヤスミ」




バイバイ、と言って電話を切った後で
私はまだドキドキする気持ちを止められずに両手で頬を覆った。
私のほっぺ、きっと紅い。。。
だって。
だって。
だって。。。。。。



ベッドに向かいながら、そっと携帯を見ると、ふと、忘れていた事を思い出した。
そうだ。
仁からメッセージが届いていたんだ…



返事するのなんて





忘れてた。





続きます。