ひ、引越しって……急に何言い出しちゃうにこの人は?!
しかもさぁ
「……咲人は私の国に来ないの?」
「俺は無理だよ。今すぐにはね」
いやいやいやいやいや
どう考えたって私にとっても無理でしょうが。
なんで自分にできないから私にしてもらうとか思っちゃってんの?
ていうか何ならアンタの方が動きやすいじゃん!
言葉の問題とかビザの問題とかさ。
「で、メイサ、俺と付き合うの?あと、なんで泣いてるの?」
私の戸惑いも感知せず、咲人はそんな風に聞いてきた。
私は貞操観念についてこの偏屈な変人に熱弁したところで、
多分一生理解しないだろうと思い、説明する気になれなかった。
そもそも、私にとっては私の考えがあるべき姿かつ一般的だけど、
結局は人それぞれじゃないですか。
それこそカップルそれぞれの在り方があるわけで。
だから「アンタ彼女が他の男とシてもいいなんて阿保だろ。
っつーかアンタも他の女とするつもり?マジないんですけどぉー!!」
と責め立てるのもおかしいと思った。
なぁ私偉くないか?ねぇねぇ(笑)
ところが咲人さんは私にそういう無駄骨を折って欲しかったらしく。
私がどうも煮え切らない態度を取ることにイライラしたらしい。
私は私でそんな徒労をしたくないし、
感情的な角度から言えば、すっかり哀しくゲンナリしていた。
ついに私は日本語で話し始めた。
当然スーパー初心者の咲人がそれを理解できるわけもなく、彼はウッと言葉に詰まった。
「メイサ、頼むから日本語で話すのはやめてくれ。会話できない。
君は俺とコミュニケーションを取るために英語で話すべきだ」
「べきだなんて言わないでよ、あくまで私の権利でしょ。
話したほうがいい、ならいいけど、べきだなんて強制される筋合いないわ」
偏屈なだけあってクソ細かい咲人は、わかったよ…と非を認めた。
加えて、メイちゃんの目からボロボロこぼれ続ける水にはため息をついた。
「メイサ……頼むから泣かないでくれ。
俺は……君が悲しんでるところなんか……見たくないんだ」
その言葉は本当だっただろうけど
その言葉に見合うくらい彼が優しかったかと言えば違った。
私がその国を発つまでの数時間。
私たちはその全てを
口論に費やした。
続きます。
しかもさぁ
「……咲人は私の国に来ないの?」
「俺は無理だよ。今すぐにはね」
いやいやいやいやいや
どう考えたって私にとっても無理でしょうが。
なんで自分にできないから私にしてもらうとか思っちゃってんの?
ていうか何ならアンタの方が動きやすいじゃん!
言葉の問題とかビザの問題とかさ。
「で、メイサ、俺と付き合うの?あと、なんで泣いてるの?」
私の戸惑いも感知せず、咲人はそんな風に聞いてきた。
私は貞操観念についてこの偏屈な変人に熱弁したところで、
多分一生理解しないだろうと思い、説明する気になれなかった。
そもそも、私にとっては私の考えがあるべき姿かつ一般的だけど、
結局は人それぞれじゃないですか。
それこそカップルそれぞれの在り方があるわけで。
だから「アンタ彼女が他の男とシてもいいなんて阿保だろ。
っつーかアンタも他の女とするつもり?マジないんですけどぉー!!」
と責め立てるのもおかしいと思った。
なぁ私偉くないか?ねぇねぇ(笑)
ところが咲人さんは私にそういう無駄骨を折って欲しかったらしく。
私がどうも煮え切らない態度を取ることにイライラしたらしい。
私は私でそんな徒労をしたくないし、
感情的な角度から言えば、すっかり哀しくゲンナリしていた。
ついに私は日本語で話し始めた。
当然スーパー初心者の咲人がそれを理解できるわけもなく、彼はウッと言葉に詰まった。
「メイサ、頼むから日本語で話すのはやめてくれ。会話できない。
君は俺とコミュニケーションを取るために英語で話すべきだ」
「べきだなんて言わないでよ、あくまで私の権利でしょ。
話したほうがいい、ならいいけど、べきだなんて強制される筋合いないわ」
偏屈なだけあってクソ細かい咲人は、わかったよ…と非を認めた。
加えて、メイちゃんの目からボロボロこぼれ続ける水にはため息をついた。
「メイサ……頼むから泣かないでくれ。
俺は……君が悲しんでるところなんか……見たくないんだ」
その言葉は本当だっただろうけど
その言葉に見合うくらい彼が優しかったかと言えば違った。
私がその国を発つまでの数時間。
私たちはその全てを
口論に費やした。
続きます。
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