Menkarm World

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蘭の種を発芽させてみようじゃないか!(その2)

2017年08月26日 01時04分00秒 | メンカーム研究所(タイでDIY)
昨年5月の記事
蘭の種を発芽させてみようじゃないか!
今日はメンカーム研究所が最近力を入れているテーマ「蘭の発芽」について紹介......
の続き。




梁川 正 農学博士が考案された「家庭用漂白剤を用いたランの簡便な無菌増殖」は再現できたが、培地へカビが生える失敗が多くて、我が家での成功率は頑張っても3割り程度。これでは商売としてやるのは難しいと言いながらも、何度も何度も実験するので苗は数千鉢出来て、初花が開花し始めた。



可愛い花を作ろうと妻がいろいろ交配し、中には良さそうなのも出ているので、蘭の種類を増やして交配したいところだが、種が小さく粉状の蘭は無菌増殖出来ても、種の粒が大きくふわふわしたカトレアやノビル系デンドロはどうしてもコンタミ(カビ)が発生し、成功率は一割にも満たない。
蒔種後に殺菌した栄養たっぷりのゼリー上で発芽する方法が無理ならば、殺菌しない自然に近い状態を再現して発芽させてみようとネットで調べ、いろいろやっていると何故か発芽したのが下の写真。



蘭の種子は風に乗って飛ばされて木に着生出来るように細かく、未成熟な胚のみで栄養を蓄える胚乳が無く、ほとんど貯蔵養分を持っていない。自然下では発芽の際に菌類が共生して栄養を供給する。粉状の種を風に乗せて撒き散らし、発芽・生育する条件に合った場所に着いた種が育つのだ。上の写真はココナツ殻の粉へ種を蒔いているが、発芽初期には、共生能力を有する特定種の菌類(ラン菌)から養分を提供されなければ通常は発育しないので、種を蒔いて水を掛ければ発芽するような物ではない。ココナツ殻の粉を加工し発芽条件を整えれば、上の写真のように発芽して育つのだが、ココナツ殻の粉へ種を蒔いたのでは、葉や根が出た後の成長が思わしくない。極小の葉が出たばかりの蘭の苗を粉砕加工しないココナツ殻へ持って行くと順調に育つので、粉ではなく殻のままに種を蒔けば上手く行きそうだと気がついた。

それから数ヶ月。ココナツ殻のままで蘭が発芽できるように加工するのに成功。加工方法は車を運転中に息子と話していて閃いた。



タイではガレガロンと呼ぶ Cym. simulans の種を蒔いて3週間後だ。ランの種が共生菌の菌糸をエネルギー源として発育し、球形に肥大したプロトコームになっている。これから緑色が濃くなり、葉が出て根が出ると蘭らしい姿に成る。小さな白い粒も発達中の蘭の種であり、もうしばらくすると肥大してプロトコームなる。未だ成功とは断言できないが、ほぼ上手く行く予定。歩留まりを上げたり、成長を早くする研究は継続しなければならないが、これでカトレアでもデンドロでも自宅で簡単に交配し、無菌操作や殺菌は一切しなくても交配した苗を生産できるだろう。今までは専門の業者へ委託するとお金も時間も掛かるので手軽に次々とは出来なかったが、これからは自分の思うがままに朝顔の種を蒔くように蘭の種が蒔けるということだ。うちのような弱小蘭園でも新種の交配に取り組める画期的な技術となる筈だし、実生苗(交配した種から苗を作る)の安い蘭も委託不要となり、利益に繋がるだろう。ある程度の結果が出たらやり方をこのブログで公開するつもりだ。

勉強嫌いな私でも理科には興味があったが、生物関連は大嫌いで中学卒業後は授業で全く生物を取らなかったのに、今は情報をネットから仕入れては実験の繰り返し。蘭の発芽だけでこんなに楽しめるとは思わなかった。

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