(2007年)池田晶子死去
文筆家。
平易な言葉で哲学を語る人だったが、自身は哲学者と呼ばれるのを好まなかった。
アカデミック臭のしないその語り口に触れると、哲学が本当に身近に感じられた(こういう人こそ学術の世界に増えて欲しいのだが、難しいことを難しい顔をして、さも難しそうに語る人ばかり学者になりたがるから、望む方が無理な話)。
あのまま生き続けていたら、今の日本を、世界を、どのように解説してくれただろう。
当時連載をしていた週刊新潮に、彼女の早過ぎる死の一報が掲載された時は、何とも言えない喪失感に襲われたのを憶えている。