めるつばうのおもうこと

めるつはミーム機械としてばうを目指します。

ムンク

2007-11-16 17:08:09 | art
ノルウェーに行ったのは昔。
地下鉄を出て薄暗いなかを自分の背丈ほどもある雪が両脇にかきあげられている
中を美術館に向かった。
その時ムンクの絵に感じたのはあの景色、重い空と針葉樹とそれにかぶっている雪が
独特の筆遣いで緩やかな丸みを持って描かれているのは正しくあの世界なのだ。
私が感じたままの世界がそのまま絵になっていると驚いた。
これと同じ感覚は数年前に見た東山魁夷が描いた山の絵にも感じた。
私が思う主観的な山のイメージがそこにあり驚愕と共感を覚えた。

今回の展示はテーマがあって、装飾ということでどうなんだろう?と思っていた。
笑ったのが、ドイツの眼科医がムンクに子供部屋の装飾を頼んだそうで
でも、最後はキャンセルされたとか。子供部屋にムンク??
とても危険な香りが・・・。

月の描き方がとても気に入った。
月が湖面や海面に映っている姿がなんというのだろう、水面ににゅーっと
伸びてぽんぽんぽんと切れて。あのまるで海面みたいな雪上を延々と
列車で走り抜けていったことを思い出した。

星月夜というタイトルの絵も気に入った。
ゴッホが有名だがムンクは静かな白夜っていう感じ。
しかし、ムンクって手先が描けないのかと思っていたが(そんなはずなく)
オスロ市庁舎へ飾る絵はとても写実的だった。
ムンクが心情を描き出す時はお筆先というか、にゅるにゅると
するすると描きだしているので手の指のディーテールがいい加減だ。

暗く神経症的でありながら長生きしたムンク。
人妻と恋愛して暗い絵を描いたりして、なんだか面白く感じた。
ファム・ファタールはなぜか赤毛。ムンクは赤毛がお好き?だったのかな。
ムンク独特の、風景の中の人なのにこちらを向いている絵。
脅迫的な感じがする。

そういえば、オスロで見たあの大きな絵は見当たらなかった。
振り返って見上げたあの絵はなんというタイトルだったろう。


最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。