めるつばうのおもうこと

めるつはミーム機械としてばうを目指します。

太陽

2007-07-16 15:08:39 | cinema
ソクーロフ監督。イッセー尾方主演。
日本公開についてはかなり問題視されていた。

内容は決してスキャンダラスではないが、扱っているのは
「昭和天皇」である。
タブーとするか?といってもタブーであることは明言されているわけでは無いと思う。
暗黙の了解ということになるだろうか。

映画は抑えられた映像と音楽で進んでいく。
尾方の演技があまりにすごい。
同じように佐野史郎。執事としての抑えた演技がいい。

人間であるということ。あたりまえであるがそうでない世界があきらかにあったわけで
それが戦前の天皇家である。
まだ生きているときの昭和天皇は表情もなく、どこか違和感を感じていた。
”あ、そう”という短い返答。
この映画の中でも何度も出てくるがそれは抑えられた、ある意味では諦観なのだろうか
とも思えてきた。
海生物の研究ではつとに有名だが、カニを観察する尾方の嬉しそうな表情がなんとも
うまいと思う。
ほんとに最後のほうに桃井が皇后として登場するがこの演技もいいとおもった。
尾方が桃井の胸の顔を沈める姿が実際あったかどうかはわからないが
いかにも昭和天皇ならするだろう、行動様式でこれもよく研究しているなと
感心した。

日本という国、そしてその国民、とうぜんながら自分の家族。すべてを守りいけるといのは
一人の”人間”にとっては文字通りの苦悩というものだろう。
ある意味ではその偉業を成した人なのだろうと思えた。

人であるのに人でないといわれる事は通常の人間には理解できないだろう。



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