小川洋子。
静かな佇まいは変わらないのだけれど、
細かい設定がたくさん出てきて違和感を感じた。
像のインディラのお話はとてもなじんでしまったのだけれど。
大きくなることでそこから出ることが出来ないという不条理。
唇が閉じあわされて生まれたこと。
そこには脛毛が生えること。
身体がある一定のときから成長しないこと。
盤下でしかチェスが打てないこと。
こまごましながらも、尋常で無い設定が続いて出てくると
なんだかぞわぞわしてしまう。
ひとつ、ふたつの尋常ならざる設定があって、それを軸にして
お話がまわるのはいいのだけれど、あまりにたくさん出てくると
身体が拒否反応をはじめてしまう。
しかし、最後の最後でこれらすべての設定が活きてはじめて
つながっていくことを理解してわたしのひっかかりは溶け出した。
一切を語らない。でもチェスの棋譜は宇宙のすべてを現している。
その人、性格、姿かたちまでをも現す。
その軌跡は素粒子の動きもあらわすのだろう。
そこへ到達するためには語ることの無いチェス指し。人形という設定。
唇が閉じあわされていること。盤下。そういった記号が収斂してくる。
幼いころ兄とチェスをやったことがある。お互いよくルールもわからず、
こうかな?ああかな?といって本をひも解いていた。
わたしはとても負けず嫌いだったらしく、負けると泣いたことを覚えている。
そう考えるとわたしの性格も棋譜に表現できたのだろうか?
彼の本名はとうとう出ずじまい。そして幻の棋譜だけがのこる。
静かな佇まいは変わらないのだけれど、
細かい設定がたくさん出てきて違和感を感じた。
像のインディラのお話はとてもなじんでしまったのだけれど。
大きくなることでそこから出ることが出来ないという不条理。
唇が閉じあわされて生まれたこと。
そこには脛毛が生えること。
身体がある一定のときから成長しないこと。
盤下でしかチェスが打てないこと。
こまごましながらも、尋常で無い設定が続いて出てくると
なんだかぞわぞわしてしまう。
ひとつ、ふたつの尋常ならざる設定があって、それを軸にして
お話がまわるのはいいのだけれど、あまりにたくさん出てくると
身体が拒否反応をはじめてしまう。
しかし、最後の最後でこれらすべての設定が活きてはじめて
つながっていくことを理解してわたしのひっかかりは溶け出した。
一切を語らない。でもチェスの棋譜は宇宙のすべてを現している。
その人、性格、姿かたちまでをも現す。
その軌跡は素粒子の動きもあらわすのだろう。
そこへ到達するためには語ることの無いチェス指し。人形という設定。
唇が閉じあわされていること。盤下。そういった記号が収斂してくる。
幼いころ兄とチェスをやったことがある。お互いよくルールもわからず、
こうかな?ああかな?といって本をひも解いていた。
わたしはとても負けず嫌いだったらしく、負けると泣いたことを覚えている。
そう考えるとわたしの性格も棋譜に表現できたのだろうか?
彼の本名はとうとう出ずじまい。そして幻の棋譜だけがのこる。