アール・ブリュット

デュビュッフェが提唱した芸術。
生の芸術。芸術のための芸術。
「アール・ブリュット/交差する魂」を観てきた。

表現というもの。他者を介在させて始めて成り立つもの。
人間は他者無しには人間足り得ない。それでも、他者の評価を
得んがための芸術というもの。表現の純粋性というものを考えてしまう。
純粋な表現のための奉仕者。それがアール・ブリュットの作者たち
という感じてしまうが、それすら彼らには関係の無い話なのだろう。

作品の面白さはやはり執着という部分。
４に執着する。トゲトゲに執着する。
そのなかで、とても興味を引かれたのは文字への偏愛だ。
喜舎場盛也。文字がまるで点描画のようにグラデーションをつくり
そして広がり突然止まる。これは文字だろうか？
電車の正面だけをみっちり描き込んでいるものはこれも模様と化している。
ゲシュタルト崩壊を起こすわたしの脳。
戸來貴規の日記。それはまるで画像パターンを言語として認識させるような。

澤田真一の陶芸はとても興味深い。会話はほとんど成り立たないらしいが
形作られた作品は表情豊かである。

インサイダー。アウトサイダー。
その差異はどこのあるのだろう。
アウトサイダーのアートは社会との繋がりが希薄と感じるが
同時にまたそれは唯一の社会へのアンカーとも感じる。