【週刊ゲーム市場分析】「CoD」シリーズは安定も、落ち着きを見せ始めた国内FPS市場

2012年12月03日 | 団長は断腸の思い
ゲームソフトの週間販売本数からゲーム市場を分析する記事の第73回。
毎週のゲームソフトの販売本数を予想し、ポイントを競うYSO3の参加型企画【Y1】もよそしく!

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今回のファミ通TOP30(ファミ通.com掲載データはログが残らないため、YSO3のメインBBSにコピペ)
※前作データ等はすべてゲームデータ博物館様(ファミ通データ)より転載。
※年間販売本数データ等はGEIMIN.NET様よりお借りし、独自集計。
※アニメディスクの販売枚数はアニメDVD・BD売り上げまとめwiki様よりお借りしています。
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■「コール オブ デューティ ブラックオプスII」がシリーズ最高の出足

「とびだせ どうぶつの森」(23.8万本、累計127.5万本)が3週連続で首位を獲得する中、2位にはPS3「コール オブ デューティ ブラックオプスII(字幕版)」(22.3万本)がランクイン。6位のXbox360版と合計すると24.5万本を販売、シリーズ最高の出足となった。ここでいつものように国内における「コール オブ デューティ」シリーズの販売実績を掲載してみる。



「コール オブ デューティ」は言うまでもなく、現在世界でもっとも勢いのあるシリーズと言われているが、国内においても2007年末発売の「コール オブ デューティ4 モダン・ウォーフェア」からブレイク。グラフのとおり、初週の勢いはそれほどでもなかったが(品薄の影響もあったが)、2週目以降に大きく本数が伸びた。最終的には廉価版も含めて約40万本を販売、国内にて同シリーズおよびFPSが売れる下地を作ることになった。

以降のシリーズ作品も、初週・2週目以降・廉価版といった販売比率は変化しながらも、いずれも40万本前後を販売。今作も安定した本数を維持することになりそうだ。


■2010年をピークに落ち着きを見せ始めた国内FPS市場

「コール オブ デューティ」シリーズ、特にPS3版の初週の本数は毎回1~2割ずつ増えていることから、国内においてもFPSが続伸しているイメージがあるが、実際にそうだろうか。まずはPS3市場におけるFPSの販売本数とシェアを調べてみた。



ソフト市場全体はともかく、PS3市場ではFPSが続伸しているイメージもあったが、実際は2010年をピークに販売本数・シェア共に下降を始めている。「コール オブ デューティ」シリーズの販売が伸び、それに伴って様々な海外開発のFPSがローカライズされ、FPS市場は盛り上がりを見せた。しかしタイトルによって販売実績に明暗が分かれた形で、落ち着きを見せ始めているのが現在の状況と言えるだろう。

海外開発のゲームと言えばFPSだけではなく、前週発売の「アサシンクリードIII」がシリーズ最高の販売実績になるなど好調が続いているが、主力のFPSが落ち着き始めたことにより、海外開発のゲーム全体をみても横ばいの推移となっている。以下のグラフは、ここ10年の販売本数TOP100における海外開発ゲームの総販売本数の推移(2012年は11月まで)。



2010年~2012年は60~80万本程度で推移している。しかし大きな伸びはないといえ、「コール オブ デューティ」がブレイクする以前は、「グランド・セフト・オート(GTA)」の発売がない年はTOP100にランクインするタイトルすらなくなることもあった。現在はFPS市場が一定のシェアを持っており、“洋ゲー”は売れない、という時代は終わりつつあると言えるだろう。


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