みちのく童話会スタッフブログ

第3回を持ちまして、みちのく童話賞は終了ました。これからはみちのく童話会として、活動をしていきます。

みちのく童話会

 東日本大震災から10年のくぎりの2021年、東北地方の皆様から第1回みちのく童話賞を開催し、第3回まで、たくさんの作品、作家との出会いがありました。  童話賞終了後は、みちのく童話会として、活動を続けています。

東北スイーツ物語 秋田 

2025-02-08 | 日記

                               

こんにちは。みちのく童話会 会員のみどりネコです。

『東北スイーツ物語』では、秋田の物語「バラアイス」を書かせていただきました。

 

タイトルの「バラアイス」というのは、ババヘラと呼ばれるアイスのこと。

中高年の女性が、アイスをコーンにへらで盛り付けて販売するスタイルからそう呼ばれるようになったそうです。

 

夏、秋田の道路沿いに立てたパラソルの下で、大きな缶を前に置き、パイプ椅子に座り、頬っかむりのような帽子をかぶっている方がいたら、それはババヘラの売り子さんの可能性が高いと思います。

 

ババヘラはシャーベットのような口当たりでとてもさっぱりとしています。

そのためか炎天下では急いで食べないとすぐに溶けてしまいます。

 

そんな美しくも儚いアイスから生まれた物語が「バラアイス」という淡い初恋のお話です。

山育ちの私が、海沿いの町で育った亜美の初恋の話を書くのはなかなか大変なものでした。

 

そんなとき、みちのく童話会の心臓的存在のOさんが私にこんなものをプレゼントしてくれました。

物語の舞台となったM海岸の砂です。

M海岸の砂は、私にこう語りかけました。

 

―― 考えるな、感じろ ――

 

その日から私は、砂のにおいをかいだり、空箱に移した砂にハートマークを書いたり、夏を海を肌で感じ、なんとか作品を書き上げることができました。

 

優しい甘さのスイーツがいっぱい「東北スイーツ物語」をお楽しみいただけると幸いです。

そして、東北のスイーツを食べに来てくださいね!!

 

みどりネコ


青森県弘前市で「みんなの小説アカデミー」開催!

2025-02-05 | 日記

こんにちは!スタッフのもえぎ桃です。

青森県弘前市ってどこ……?と思う方も多いですよね笑

青森市のとなりです。アップルパイの町と言われています。

こちらの弘前中央公民館の主催で、「みんなの小説アカデミー」を開催します!

講師は、同じ青森出身作家の風祭千先生とわたし。

風祭先生は青森生まれ青森育ち青森在住の津軽っ子。

実は同じ高校の後輩でもあります。

といっても年齢は31歳差! 親子です笑

風祭先生は20歳という若さでデビュー。

そしてわたしは50歳デビューの遅咲きです。

小説家は作品が評価されるので、年齢は関係ないんですよね。

個人的には、「小説を書いてみたい」という大人の方にもぜひ来ていただきたいです。

無料です!

講座は風祭先生とわたしへのQ&A、すぐに使える文章のコツ、実践編の3部構成。

特に実践編は、自分の「推し本」の紹介文を200字ほどで書いてもらいます。

書きましょう!絶対勉強になります!

見学のみもオーケーなので、ハードルが高いと感じた方はお話を聞くだけでも大丈夫です。

【詳しくは】 https://city.hirosaki.aomori.jp/chuokominkan/novel_academy.html

 

【申込フォーム】 https://customform.jp/form/input/201795

 

 


東北スイーツ物語 宮城

2025-01-28 | 日記

スタッフのおしのともこです。

今まで東北物語シリーズでは、挿絵担当でしたが

この東北スイーツ物語では、

初めて物語を書かせていただきました。

 「東北スイーツ物語」の中で『宮城県』のスイーツ担当になり、

『宮城県』なら『ずんだもち』でしょ!

さらに『ずんだシェイク』も出てくるお話がいいなあ〜と考えました。

 

私は関東出身ですが、『ずんだもち』も『ずんだシェイク』も大好き!

枝豆の季節になると手作りするくらい大好物です。

「グリンプロテイン」は、

小学5年生の野球少年マサシが主人公のお話です。

試合でエラーして落ち込むマサシ。

2つ年上のねえちゃんが、練習を付き合ってくれることになったけど

実はねえちゃんには思惑があって……。

  

主人公のマサシは、

初めてのずんだもち作りに汗だくになりますが、

茹でた枝豆を薄皮まで剥いて、すり鉢でするのは大変な作業です。

フードプロセッサーがあれば楽かもしれませんが、

我が家でもすり鉢で作っています。

自分の手で作るずんだもちの美味しいことと言ったら!

 

マサシは野球に一生懸命打ち込む少年ですが、

実は私の父は、長年プロ野球チームのスポーツトレーナーでした。

ケガなどで故障した選手のリハビリやマッサージをする仕事です。

子どものときから、家には選手のサインや野球グッズ、

優勝した写真パネルがズラリと並んでいました。

私は残念ながら、大の運動オンチで野球は本当に苦手。

絵を描いたり、本を読んだりするのが好きな女の子でした。

 

今回、野球のお話を書かせていただいて

ほんの少しだけ親孝行ができた様な気がします。

天国の父も喜んでくれたかな。

 


東北スイーツ物語、福島県

2025-01-21 | 日記

みなさま、こんにちは。

みちのく童話会メンバーの吉田桃子です。

         

「東北スイーツ物語」はもう手に取っていただけたでしょうか? 読んでいるとおなかが空いてきそうなスイーツが沢山出てきます。

 

わたしは福島県の「桃パフェ」を題材に物語を書きました。

作中に福島県にある「まるせい果樹園」様の桃パフェの写真も載っていますが、まさに、このパフェを想像しながら執筆しました!

わたしも「まるせい果樹園」さんには桃を買いに行ったことがあります。

その日は福島県のポケモン「ラッキー」さんも遊びに来ていたこともあってすごい人! 行列! しかも、暑い!

 

でも、みなさん、とても幸せそうな顔なんです。

きっと桃がおいしいからですね。

さらに、桃はとても栄養がありますから暑い夏を乗りきるための力もくれます。

今は冬ですが、こんななかでも桃の木は、夏、実をつけるためにジッと寒さに耐えています。

わたしも、今年の桃をたのしみにしています。

本物の桃を食べる前にぜひ「東北スイーツ物語」でひとあし先に桃を楽しんでいただけたら嬉しいです。

 

物語の主人公も「桃」がつく名前の女の子にしました。

自分もそうなので少し照れくさいですが(*´ω`*)

せっかく「桃」のお話ですからね……


東北スイーツ物語 りんごの気持ち

2025-01-08 | 日記

スタッフのもえぎ桃です!

この記事を書いているのは1月8日ですが、年末から青森は大雪!

『東北スイーツ物語』で私が書いたお話「りんごの気持ち」と、状況がそっくりです。

「十二月にこんなに降ることはめずらしくて、外は横なぐりの雪で真っ白。雪が道路やブロック塀をおおって、白一色の世界だ」

子どものころの冬は、ずっとこんな感じでした。

朝から晩まで雪が降り続け、歩道は除雪した雪で道路より1メートルも上。

夜中に外を見ると、雪が青白く光って、すごくきれい。

冬の夜空は澄んでいて、星がたくさん見えました。

そういえば、日中はずっと吹雪いてるのに、なぜか夜になると雪がやんで「シーン」とするんです。

雪が音を吸い込んで、本当に静か。

星空の下、青白い雪がどこまも広がる幻想的な世界……でも朝になるとまた吹雪くんですよね〜。

昼に吹雪いて夜に凪ぐ。なにか理由があるんでしょうか?

 

さて、青森の冬といえばりんご。りんごのスイーツといえばアップルパイ!

青森県弘前市はアップルパイのお店がたくさんあって、ガイドマップも出ています。

https://www.hirosaki-kanko.or.jp/edit.html?id=cat03_food09

「りんごの気持ち」は、アップルパイが上手なてきぱきお母さんと、自立心が芽生え始めた凛子ちゃんの攻防(⁉)です。

りんごの皮むきをきっかけに不満が爆発する凛子ちゃん。

「口うるさいお母さんに負けるな〜!」と凛子ちゃんを応援しながら書きました。

凛子ちゃんの超簡単りんごスイーツ、ぜひ作ってみてくださいね。

 

いよいよ来月、シリーズの最終巻「東北偉人物語」が発売です!


東北こわい物語挿画のこと おしのともこ

2025-01-08 | 日記

こんにちは!みちのく童話会 会員のおしのともこです。

今回は『東北こわい物語』の挿画について。

イラストラフと合わせて制作秘話をお話しますね!

今まで「こわい絵」を描いたことがなく、挑戦でした。

 

 

「縛り地蔵」佐々木ひとみ

主人公 拓斗の顔。最後まで迷いながら描きました。

いわゆる「いい子」である彼と、心の奥にいる本音の部分の彼。

ラフの拓斗と、実際に完成した拓斗の表情がずいぶん変わりました。

 

「マヨイガの贈りもの」ちばるりこ


このお話の主人公紫が、ラスト「まさか!」という展開になります。

その瞬間の表情を描きたいと思いました。

けれどその部分は読者に想像してもらった方が

より物語に広がりがでるかも…と、あえてこのラフはボツにしました。

そしてランニングシューズに焦点を当てたイラストに変更。

紫の揺れる内面を表すために髪型も修正。

風に揺れるロングヘアにしてあります。

 

「あの世とこの世」もえぎ桃

こわがりの怜が、思わず叫ぶシーン。

彼の素直さ、まっすぐな想いが伝わってくる、

物語の山場です。

ラストまで読み進め、もう一度読み返したくなる鍵になるシーン。

風車がまだ描き込めてなく、テキトーですね。

 

「ゆがんだ愛の、その先(安達ケ原の鬼婆)」吉田桃子

物語は一冊の本を中心に展開していきます。

その要になる鬼婆の本。

こわいですね〜。

般若のお面を参考にしました。

鬼婆は怖いけれど、そこには深い悲しみと愛情があって

どこか憎みきれない人間らしさを感じます。

 

「スノーモンスター」野泉マヤ

雪山で道を見失うこわさ。

自然へのおそれ。

そのなかでも諦めず、一歩を踏み出す健人のイラストラフ。

やがて方向感覚を失い、途方に暮れる健人のイラストラフ。

「もっと雪を多く、真っ白に。大自然の圧倒的な存在感を出して」

という編集さんのアドバイスを受けて、仕上げました。

 

「黒い石」みどりネコ

主人公 佑香が櫛で髪をとかす。

今よりもっときれいになりたい少女の心と

辰子姫の伝説が引きあう物語のクライマックスシーン。

姉妹の関係って、お互い近い存在だからこそ

羨ましくなったり、反発したり。

このシーンは、「お互いの表情を大きく、対比して見せましょう」

という編集さんのアドバイスで修正。

2人の表情の違いが印象的なイラストになりました。

 

『東北こわい物語』を手にしたら

ぜひイラストラフと見比べてみてください。

本当はもっと何枚もラフがありますが、

今回はその一部を紹介させていただきました!

 

おしのともこ


「縛り地蔵」(『東北こわい物語』)佐々木ひとみ

2025-01-06 | 日記

こんにちは。みちのく童話会 会員の佐々木ひとみです。

      

現在発売中の『東北こわい物語』で、「縛り地蔵」(宮城県)というお話を書かせていただきました。

モチーフの〝縛り地蔵〟は、仙台市の広瀬川近くに実際にあるお地蔵さまです。

縄でぐるぐる巻きにされたインパクトのあるお姿を初めて目にした時から、「いつか物語に登場させたい!」とずっと暖めてきたモチーフでした。

このお地蔵さまは地元の方々から「人間のあらゆる苦しみ悩みを取り除いてくれる」と信じられていて、縄で縛って願をかける習わしから〝縛り地蔵尊〟と呼ばれています。体に巻きつけられた縄は、年に一度のご縁日(7月23日)に解かれます。

どれほどインパクトがある姿なのか興味を持たれた方は、本書の31ページに〝縛り地蔵尊〟の写真が掲載されていますので、ぜひご確認ください。

物語では、「勝手に外すと、外した人に縄にこめられた悩みや苦しみが降りかかる」としましたが、その部分は私の創作です。

また、物語には仙台の〝妖(あやかし)スポット〟として、扇坂・行人坂という二つの坂も登場します。こちらも仙台城二の丸跡近くに実際にある場所で、妖しげな伝説も実際に伝わっているものです。

取材のために千貫沢沿いを歩きましたが、湿り気を帯びた重い空気が漂うエリアで、今より圧倒的に闇が濃かった時代、ここを二の丸への登城路として日常的に利用していた侍たちの胆力を思わずにはいられませんでした。

仙台を訪ねる機会がありましたら、物語の舞台を歩いてみていただければ幸甚に存じます。


東北こわい物語〜恐山は本当に怖い⁉︎〜

2025-01-06 | 日記

スタッフのもえぎ桃です。

東北6つの物語シリーズ続々刊行‼️

このシリーズは、東北ゆかりの作家が書いているので、いわゆる「地元ネタ」が豊富。

私も青森ならではのお話を書けて、とっても楽しかったです。

それでは、「東北こわい物語」の裏話をひとつ。

恐山と、八甲田山のこわい話が出てきますが、どちらも何十年も前から伝わっている話。

恐山で唾を吐いたり、不敬な行いをすると、悪いことが起こる。

八甲田山では雪中行軍で死んだ方々の霊がさまよっている。

特に恐山は、霊場なので当たり前かもしれませんが、青森県民にとっては「観光名所」というより、「怖い場所」。

小学校の頃、先生が「友達が恐山で唾を吐いて、それから山を出るまで転んでばかりで大変だった」と言っていたのを思い出します。

恐山は噴火によってできた一帯ですが、お話に書いた通りの「地獄」と「極楽」があります。

私も初めて見たときは、衝撃でした。まるで異界のようでした。

いくら噴火による自然の造形だと科学的に説明されても、それだけとはとうてい思えません。

異界の様子は、どうぞ本編をお読みいただければと思います。

 

 


『東北こわい物語』  「マヨイガの贈りもの」

2025-01-06 | 日記

こんにちは。みちのく童話会スタッフ ちばるりこ です。

今回の東北物語シリーズは、なんと「こわい物語」。

実は、こわい系はあまり書いたことがありませんでした。(これが2作目)

でも、思い出しました。子どもの頃、こわいマンガが三度の飯より大好きだったのです。

歳がバレますが、特に楳図かずおさんのマンガです。「へび少女」は、こわいけれど続きを読まずにはいられませんでした。夜、眠れなくなったり、トイレに行けなくなったり……アルアルですね。

時代は変わりましたが、今の子どもたちもこわいお話が大好きですよね。

どうして、人はこわい話に心惹かれるんでしょう?

 

今回の執筆にあたりエピソードを紹介します。

<エピソード> 知らない家に入る? いや入らないでしょ!

「マヨイガの贈りもの」は『遠野物語』のマヨイガをテーマにしたお話です。

このテーマを選ぶにあたって、どうしても書きたいシーンがありました。それは、見知らぬ家に入るところです。マヨイガは幸福をもたらすので、それほどこわくないかもしれませんが、家の中で不思議なことにたくさん遭遇します。

 そのとき、自分の中で疑問が生まれました。

今の子どもが、誰もいない家に入るでしょうか? 許可なく入れば、住居侵入罪(刑法130条)に問われます。また、小さな頃から不審者に気をつけるように言われてきたはずです。絶対に入らないと思いました。

そこで、善意あふれるおばあちゃんに登場してもらいました。このおばあちゃんに「今から畑に行くから、勝手にあがってお水を飲んでいいよ」と言われたことで、主人公が家へ入るきっかけを作ったのです。

 おばあちゃんグッドジョブ!  

 みなさま     『東北こわい物語』6作 楽しんで読んでください。

                                                       トイレに行けなくなったらごめんなさい。_(._.)_


『ミルキーウェイ 竹雀農業高校牛部』堀米薫作・スカイエマ絵(新日本出版社)

2024-12-26 | 日記

                   

 宮城県在住。和牛農家でもある堀米薫の新刊です。

「進学校にも行ける」という担任の声をよそに、竹雀農業高校へ入学した夢生。大学進学を目指せば、母さんに負担をかけると思ったからだ。牛に惹かれ、実習用の牛のお世話をする「牛部」へ入部する。日本の乳牛の99%を占めるというホルスタイン種。夢生の体の三、四倍はありそうな大きな牛たちとの生活が始まる――。(出版社HPより)

 ぜひお読みください。