みちのく童話会スタッフブログ

第3回を持ちまして、みちのく童話賞は終了ました。これからはみちのく童話会として、活動をしていきます。

みちのく童話会

 東日本大震災から10年のくぎりの2021年、東北地方の皆様から第1回みちのく童話賞を開催し、第3回まで、たくさんの作品、作家との出会いがありました。  童話賞終了後は、みちのく童話会として、活動を続けています。

怖いのは、モンスターより吹雪~『東北こわい物語』「スノーモンスター」執筆秘話

2024-12-12 | スタッフ新刊・活動紹介

みちのく童話会スタッフの野泉マヤです。

『東北こわい物語』では山形県の怖い物語「スノーモンスター」を担当しました。

     

樹氷のことをスノーモンスター(雪の化け物)と呼びますが、本当に怖いのはモンスターより吹雪なんですよ~。その恐怖の体験を元に、この物語を書きました。

私が住んでいる宮城県北西部は、年に一度あるかないかですが、高速道路が閉鎖されるくらいの地吹雪に見舞われることがあります。数年前には高速道路で玉突き事故があり、全国ニュースにもなりました。

高速道路が閉鎖されると、下の国道は大渋滞となります。以前、高等学校に勤務していた頃、ちょうど帰宅時にその地吹雪渋滞に遭遇したことがありました。いつもなら時速70キロくらいですいすい走れる道が、その夜は、のろのろ走っては止まる、の繰り返しでなかなか進みませんでした。

前方の丘を越える坂道には、車のテールランプが赤い数珠玉のようにつながっているのが見えました。

「こんなに多くの車が立ち往生してるんだ。いつになったら自宅へ帰れるのかな?」

普段なら30分で帰れるのに、既に車に乗ってから1時間もたっていました。

吹雪の風は強弱を繰り返します。弱めの時はテールランプのつながりも見えますが、強くなると真横から吹きつける雪以外、何も見えなくなります。うなり声をあげる激しい風に、車も揺らされます。

その時、私は恐怖に襲われました。「吹雪の中に、たった独りで取り残されてしまったのでは?」

もちろん、渋滞しているのですから、すぐ前にも後ろにも車を運転している人たちがいます。道沿いには民家もあるので、独りではありません。なのに、そんな錯覚によって恐怖を感じたのです。

吹雪の山で遭難した人が、避難小屋まであと一歩のところだったのに、なぜたどり着けなかったのか? という話を聞いたことがありました。遭難した人の気持ち、わかるような気がします。

物理的な距離は近くても、精神的な距離が遠くなり、孤立感に襲われる。

これが、吹雪の怖さです。

『東北こわい物語』を読んで、そんな吹雪を想像してみてくださいね。


東北こわい物語〜恐山は本当に怖い⁉︎〜

2024-12-09 | 日記

スタッフのもえぎ桃です。

東北6つの物語シリーズ続々刊行‼️

このシリーズは、東北ゆかりの作家が書いているので、いわゆる「地元ネタ」が豊富。

私も青森ならではのお話を書けて、とっても楽しかったです。

それでは、「東北こわい物語」の裏話をひとつ。

恐山と、八甲田山のこわい話が出てきますが、どちらも何十年も前から伝わっている話。

恐山で唾を吐いたり、不敬な行いをすると、悪いことが起こる。

八甲田山では雪中行軍で死んだ方々の霊がさまよっている。

特に恐山は、霊場なので当たり前かもしれませんが、青森県民にとっては「観光名所」というより、「怖い場所」。

小学校の頃、先生が「友達が恐山で唾を吐いて、それから山を出るまで転んでばかりで大変だった」と言っていたのを思い出します。

恐山は噴火によってできた一帯ですが、お話に書いた通りの「地獄」と「極楽」があります。

私も初めて見たときは、衝撃でした。まるで異界のようでした。

いくら噴火による自然の造形だと科学的に説明されても、それだけとはとうてい思えません。

異界の様子は、どうぞ本編をお読みいただければと思います。

 

 


ラジオ朗読のお知らせ1~「戦うキリタンポ鍋」

2024-12-05 | スタッフ新刊・活動紹介

『東北6つの物語』、第2期2冊が発売になりました。

 第1期も併せてよろしくお願いいたします。

先月は『東北ま物語つり』から「おばけ提灯」の朗読が、ABS秋田放送、「あさ採りワイド秋田便・マヤの子育てランドコーナー」でありました。今月は、『東北まつり物語』から「戦うキリタンポ鍋」です。

東北おいしい物語「戦うキリタンポ鍋」前編は12月10日(火) 後編は12月17日(火)

東北ふしぎ物語「Tのかまくら」前編は2025年1月14日(火)、後編は1月21日(火)です。

9:00くらいからの放送だと思います。秋田の方、またはラジコでお聴きできる方、

まずは、井嶋敦子作「戦うキリタンポ鍋」をお楽しみください。

      

 

      


『東北スイーツ物語』『東北こわい物語』発売になりました!!

2024-12-04 | スタッフ新刊・活動紹介

        

 胸キュン甘い物語と、ぞわぞわ怖い物語。

 スイーツ 青森はりんご。秋田は、バラアイス。岩手は、へっちょこだんご。山形はからからせんべい。宮城はずんだ。福島は桃パフェ。それぞれ、恋あり親子の葛藤あり、友情あり。

  執筆は、もえぎ桃、みどりネコ、田沢五月、千秋つむぎ、岩崎まさえ、吉田桃子。

        

こわいは、青森は恐山。秋田は田沢湖辰子伝説。山形は、蔵王の吹雪。宮城は縛り地蔵。福島は安達太良の鬼婆伝説、岩手は『遠野物語』に出てくるマヨイガが絡んでます。人間の欲望。嫉妬。自然の怖さ。などなど。

執筆は、もえぎ桃、みどりネコ、野泉マヤ、佐々木ひとみ、吉田桃子、ちばるりこ。

装画はふるやまたく、挿絵はおしのともこ。

どちらも読み応えバッチリです。

 


みちのく童話賞受賞者のご活躍

2024-12-03 | 童話賞

 みちのく童話会は、みちのく童話賞終了後、スタッフが活動をしている会です。

 童話賞受賞者は、その後も他の公募に応募して、結果を残してらっしゃいます。

 このたび第3回みちのく童話賞佳作をご受賞した、にこにこ。さんが、ペンネーム畠山リエさんとして、第39回家の光童話賞をご受賞されました!!

 畠山リエさん、おめでとうございます!!

 524編もの応募作から選ばれた佳作、素晴らしいと思います。

 今勢いに乗り始めたところ。この勢いを逃さず頑張っていただきたいです。

 

         

 童話賞は終わりましたが、誇らしい気持ちでいっぱいです。引き続き応援させてください。