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雨なのに、おかあさんが買い物に出かけた。
途中、ダークスーツを着てアタッシェ・ケースを持った男の人が右の路地から歩いてきた。
おかあさんと反対方向へ行くのか、と思いきや、くるっと回っておかあさんと同じ方へ歩き出した。それも、いやにゆっくりと。
おかあさんが追い抜くことをためらったけれど、気持ち悪いからサッサと追い抜いた。
例の赤い紫陽花のある裏通りに向かうと、その男が付いてくる。
その道がどこへ続くか、地元の人でないと知らないはずだけど・・・。
おかあさんの心臓がバクバクし出した。
速足で歩く。
振り向くと、男はまだ付いてくる。
アタッシェ・ケースからナイフを出して、おかあさんを刺すんじゃなかろうか。
おかあさんは更に速足で歩く。
バイパス通りに出た。
ここで襲われても車がたくさん走ってるから、目撃者はたくさんいるぞ。
心臓が口から飛び出しそう!
こ、こわい!
パニック発作を起こしそう・・・。
でも、これからドラッグストアに行くから大丈夫だよね。
いや、待てよ。
以前、Aドラッグで発作が起きた時、お店の人は何もしてくれなかったじゃない。
自力で電話を探して、おうちに掛けたじゃない。
おとうさんとおねえちゃんに来てもらったじゃない。
自分の身は自分で守るんだ。
おかあさんは魔除けの水晶のネックレスをギュッと握りしめ、「ココちゃん、助けて」と唱えた。
その時おうちで寝ていたわたしは、幽体離脱しておかあさんを守りに空を飛んだ。
おかあさんが再び後ろを振り向く。
男の姿がやや小さくなっている。
おかあさんの速足に付いて来れなかったのか。
そういえば、おかあさんの歩きはいつも速いし、何人も抜くのが自慢らしい。
本当は走ればいいけど、男も走り出して追いかけて来る恐怖を思うとできなかった。
更に速足で歩き、後ろを振り返ると・・・。
男は消えていた。
そうよ、空を飛んでたわたしがおかあさんを守ったのよ。
帰宅したおかあさんは、寝ているわたしにそっと「ココちゃん、ありがとね」と言ってくれた。
顔のなかったあの男は誰だったのか。
サターンの一味か。
おかあさんは、きのう以上にぐったりしている。
(これは妄想ではなく、実話です)
途中、ダークスーツを着てアタッシェ・ケースを持った男の人が右の路地から歩いてきた。
おかあさんと反対方向へ行くのか、と思いきや、くるっと回っておかあさんと同じ方へ歩き出した。それも、いやにゆっくりと。
おかあさんが追い抜くことをためらったけれど、気持ち悪いからサッサと追い抜いた。
例の赤い紫陽花のある裏通りに向かうと、その男が付いてくる。
その道がどこへ続くか、地元の人でないと知らないはずだけど・・・。
おかあさんの心臓がバクバクし出した。
速足で歩く。
振り向くと、男はまだ付いてくる。
アタッシェ・ケースからナイフを出して、おかあさんを刺すんじゃなかろうか。
おかあさんは更に速足で歩く。
バイパス通りに出た。
ここで襲われても車がたくさん走ってるから、目撃者はたくさんいるぞ。
心臓が口から飛び出しそう!
こ、こわい!
パニック発作を起こしそう・・・。
でも、これからドラッグストアに行くから大丈夫だよね。
いや、待てよ。
以前、Aドラッグで発作が起きた時、お店の人は何もしてくれなかったじゃない。
自力で電話を探して、おうちに掛けたじゃない。
おとうさんとおねえちゃんに来てもらったじゃない。
自分の身は自分で守るんだ。
おかあさんは魔除けの水晶のネックレスをギュッと握りしめ、「ココちゃん、助けて」と唱えた。
その時おうちで寝ていたわたしは、幽体離脱しておかあさんを守りに空を飛んだ。
おかあさんが再び後ろを振り向く。
男の姿がやや小さくなっている。
おかあさんの速足に付いて来れなかったのか。
そういえば、おかあさんの歩きはいつも速いし、何人も抜くのが自慢らしい。
本当は走ればいいけど、男も走り出して追いかけて来る恐怖を思うとできなかった。
更に速足で歩き、後ろを振り返ると・・・。
男は消えていた。
そうよ、空を飛んでたわたしがおかあさんを守ったのよ。
帰宅したおかあさんは、寝ているわたしにそっと「ココちゃん、ありがとね」と言ってくれた。
顔のなかったあの男は誰だったのか。
サターンの一味か。
おかあさんは、きのう以上にぐったりしている。
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(これは妄想ではなく、実話です)
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朝からハラハラドキドキ、サスペンスにゃー。
アタッシェ・ケースの男は何者? ココちゃん、幽体離脱で
お母さんを守るなんてすごい!とにかく無事で良かったにゃ。
えふ母さんは大阪人らしく「何かオチがあるのよ」と思ったみたいやった
けど実話と知ってびっくりやったみたいにゃん。
えふ母さんがこの前の夜、近所にお出かけで玄関を出てしばらくすると
うしろから付けてくるものが・・
「黒マントの怪紳士?」ではなく、ぼくですにゃん。
お散歩してたら、えふ母さん、見っけ!
「コロ、ついてきちゃダメよ」ぼくは抱っこされてお家に戻されましたにゃ、残念。
えふ母さん、夜おでかけ?洒落てるわあ♪
コロちゃんが付けてくるのを察知できるなんて、さすがえふ母さん。
コロちゃんもいっしょに出かけたかったのねえ。
おかあさんのこの体験、本当なのよ。あそこの細い道はどうも気味が悪いんだけど、近いから通るらしいのね。
あの男は、きっとバイパスに通じるとは知らなくて引き返したんだと思うの。それはわたしの空からの念力でね。疲れちゃった・・・。