うたたねこと

ちょっぴり皮肉、かつ、お気楽
うたた寝ネコが薄目で見た日常と社会

崩れる四季

2008-09-06 11:38:36 | 四季折おり~自然と風物
4日付朝日新聞夕刊(大阪本社版)の論説委員コラム「窓」に、「大阪の『五季』」と題して、「四季」が崩れているという論がありました。
今あるのは「五季」。 春、夏、真夏(酷暑)、夏、秋、冬だそうです。

そんな生やさしいものじゃないと思う。 
大阪に近い関西に住む者の実感としては、季節は「三季」、夏、真夏、夏、冬です。
ちょっと涼しい夏と、ちょっと暖かい冬があって、春と秋が無くなっている。
一番自然の恵みを感じる、過ごしやすい季節が無くなっているのです。
冷房切ったらすぐ暖房、暖房切ったらすぐ冷房、という商業施設や交通機関がそれに拍車をかけている。 いや、これは原因と結果、どっちがどっちか分かりませんが。

季節が崩れた弊害はいろんなところに出ています。
まず、身体がついて行かない、疲れが取れない。
秋の運動会の練習で、ばたばた倒れる子が続出するのも、本人や家庭のせいにされるけど、季節の崩れを無視して、旧態依然とした行事にしがみつく学校のやり方にも問題があると思う。
二学期始業式で、「秋は勉強にも運動にも適した、過ごしやすい良い季節だから、皆さん頑張りましょう。」なんて訓話をしている校長先生、子どもが失笑してますよ。 そんなところでも、大人(先生)が信用をなくすんですけど。

家庭では衣類管理が問題。
夏物、冬物をいつ仕舞えばよいのか分からない。 仕舞っては出し、出しては仕舞い、結局部屋の隅に積んでたりして、言い訳になるけど、これも片づかない一因です。

冒頭のコラムでは、対策として緑化を進めることを説いていました。
でも、いちいちケチ付けるようで悪いけど、お手本としてあげているドイツで、四季の巡りが順調かというと、そうでもないのです。

昔、一年余りドイツに住んでいたことがありました。
その時感じたのは、自然風土の厳しさ、とりわけ季節の移り変わりが急激なこと。
春になったとたん暑い日差しが照りつけたかと思うと、短い夏が終わって九月には暖房を入れなければ過ごせないという程。 これは内陸性気候のせいと思っていましたが、都市化の問題もあったかも知れません。 コラムにあるように、日本の都市よりはずっと自然豊かでしたが。
日本は自然も四季の巡りも穏やかだったと、懐かしく感じたものです。

ところが戻ってくると、日本もあっという間に内陸性気候並みに季節の移り変わりが急激で不安定になってきた。 これは明らかに、都市化、機械化、自然破壊のためでしょうが、もっと大きな地球規模の気候変動も根底にはあるようです。

話が大きくなりすぎると、どこから改善すればよいのか無力感に襲われますが、結局、平凡だけど、出来ることをコツコツとやるしかないですね。
ついケチ付けてしまったけど、都市の緑化というのもやらないよりは、やるにこしたことないでしょう。
ただ、それで安心してしまわない方が良いですよ、という話です。



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