長老は虚勢を張っていた。
ほんとは、
恐怖に 心臓がひきつって、
ついでに顔もひきつっていたのだが・・。
対向車が来た!
ひぇ~~。
めいドライバーのお坊ちゃまはバックしようとしたが、
ム・ムリ!!この傾斜でうねうね具合では、
こいつの運転ではムリじゃ!!
後ろに無理やり戻れば、じ・事故・・。
私の頭のまわりに、札束に羽がはえて飛んでいる
そんな情景が・・。
はたと気づくと、
まわりには、人家が・・。
対向車はこの辺に住んでいる人なのだろう・・
すいすいとバックして道を空けてくれた。
ありがとごぜます。ありがとごぜますだ~~。
(しっかし、よう こんな坂道に住んでますね。)
恐怖の暗峠越えが終わろうとしていた。
時間にすれば、40分くらいだっただろうか。
枚岡に出て、
石切駅近くになって
おぼっちゃまが
「はあ~~っ、やっと 普通の道になったなあ~~!!」
「アホ!! ここで気をぬいたらアカンがな!
ほっとした時が 一番あぶない!!」
どこまでも、こどもたちの無事をいのる母なのであった。
(実は 自分のためなのだが・・。)
おいし~いご飯を食べた直後は、
「また、食べに来たいなー。」
「ほんまやな~!!」
と、みんな口々に言ってたのだが、
「この道とおってでも、また食べに行きたい?」
ぎゃああ~~!!
「いら~ん。」
「ぜったい、いや!!」
やっと、安心。
おまごはスヤスヤと眠ったままだ・・。
神様 ありがとう。
その日、家に帰ってから
私は、既に社会人であるところの息子に
おこずかいをあげました。
(命は無事やったし、
札束飛んでいかへんかった・・。
よかたよかた。)と思って・・。
息子は不思議そうな顔をしていましたが、
「そんなん、いいよ、おかあさん。」
とは言わず、
にんまり笑って受けとらはりました。 おしまい。
明日は、発表会のリハなんだってさ・・。
嬉しさ200パーセントの おまごです。