ここ最近のお気に入り、細見美術館で開催中の「細見コレクション名品選・麗しき日本の美」展(1/28~4/17)に行ってみた。
現在は前期展示(1/28~3/13)で「若冲と江戸絵画の世界」と題し、伊藤若冲を始めとして、円山応挙・中村芳中・葛飾北斎などが展示されていた。若冲といえば、あの丸っこい子犬の絵を思い出す。でも、ここにあったのはもっと写実的な鶏。
「群鶏図」は、たった2羽なのに群鶏?とは思ったが、墨の濃淡、筆遣い、デッサンと、力強く味わい深いものだった。葛飾北斎の「夜鷹」は、柳の下に遊女という図柄だが、その姿の、キリっと美しいこと。基本的に草木や花の絵が好みだが、そうでなくても気に入った。「江戸風俗図鑑」では、幅広の帯を前で結んでいる町娘とか、孔雀の羽柄のきものが流行っていたらしいとか、そういうこともわかって面白かった。派手な柄のきもの。金曜の夕刊で、浄瑠璃の人形の衣装を、エルメスのスカーフで新調したという記事が写真入りで出ていた。江戸のきものの派手さを絵で知ると、あのスカーフの色柄は、この時代のきものとしてぴったりなのだと思う。
「茶の湯とかざり」と題した特集展示もあった。「黒織部沓形茶碗」がきれいだった。「志野茶碗・銘『弁慶』」は、やたら大きい。我が家で使っている1リットル容量のミルクパンよりも大きい。あの大きさでは、きっと重いはず。そこにお茶を入れて飲むことなど、考えられない。この茶碗は、観賞用だったのだろうか。そもそも観賞用の茶碗など、この時代(桃山時代)に存在しただろうか。いや、名品も、お茶会で使われたはずだ。こんなに重そうな茶碗で濃茶を回したりした?
この展覧会、後期(3/17~4/17)には「琳派を愉しむ」と題され、展示替えがある。