京都逍遥

◇◆◇京都に暮らす大阪人、京都を歩く

詩仙堂の山茶花

2012-06-18 23:15:05 | 本と雑誌

詩仙堂の書院前に咲く山茶花の写真を、やっと見つけた。台風で倒れてしまったという山茶花の巨木。

・『京の古寺から  3 詩仙堂』 水野克比古・石川順之(淡交社) 1995年1月24日初版 p.54~55

座敷から砂とさつきの庭に向かえば、右手に二抱えほどもあろうかという幹があり、広縁に平行に伸びる枝に、小さな白い花がいくつも見える。その枝は、書院幅の2/3はありそうだ。写真の撮影時、座敷に座ったなら、最も低い枝の数本しか見えなかっただろう。広縁ぎりぎりに座って、仰ぎ見る、そういうものだったに違いない。砂には花びらが落ちている。どうやら今のような白砂ではないようだ。箒目も見えない。山茶花のあたりは開けていて、若い木の根元が見える。サツキの足元にギボウシはほとんどない。

約30種の花の写真は、名前を確認するのに役立ちそうだ。ご住職の文章もあり、詩仙堂ファン必携ではないだろうか。

・『京・古社寺巡礼 6 詩仙堂の四季 水野克彦写真集』 (東方出版)2005年1月21日初版

こちらは山茶花が倒れた後の出版なので、他の花々を確認するときに。「貝母百合」「檜扇水仙」など、前掲書には記載がなかった。檜扇、祇園祭に飾られる、あの檜扇?葉はもっと肉厚で、しっかりと太かったような気がするが。

・『今昔都名所図会 5 洛北』 竹村俊則・門野康夫(京都書院) 1992年8月 p.8~11

大判で見やすい書籍。階段下の庭からの眺めは、よく茂った山茶花があるように見える。が、はっきりと写ったものはない。

・『京の名花・名木』 竹村俊則(淡交社) 1996年9月28日初版 p.101~102

本書に写真はなく、文章のみである。山茶花の高さは通常3~5メートルと断った上で、詩仙堂の山茶花の大きさを「高さ10メートル、幹の回りは1.54メートル」とし、「サザンカとはちょっと信じられない位の圧倒的な量感を覚える」と表現する。凹凸窠とその庭園を造った石川丈山が、作庭時に植えたという。1641年造営なので、樹齢はおよそ370年。それほど育つとは、よほどこの地に合っていたのだろう。

山茶花のある庭も良いが、私は今の庭が好きだ。階段下の紅葉の連なり、さつきの刈り込みと白砂のバランスが良いのだ。山茶花が育ちすぎて、もとの庭のバランスを崩していたのではないか、そんな気がする。やはり実際に見たかった、というのが本当のところだが。

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詩仙堂・さつきはまだ見頃

2012-06-11 14:53:39 | まち歩き

先週木曜の京都観光NaviHPでは、すでに「見頃」と記載されていた。ちょうどいい時を見逃してしまい、やっと今日行ってみた。

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私個人の意見としては、この座敷から見るさつきが満開であるか、庭園の階段脇が満開なら、さつきを見に来たと満足できる。座敷正面は終わっているが、左手の株は、いい感じ。ということは、階段のところもいい感じのはず。

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ここ数年の花つきを思うと、これだけ咲いていれば充分。

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いつものように、花殻などきれいに取り去られているので、花の終わりに見える株も、侘しい感じはしない。

先週末、雨が少し降ったのに、花びらを見ると、水が足らないように見える。

今日、特に見頃だったのは京鹿の子。

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あじさいも、もうすぐ。

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120613 これは、ホタルブクロだったか。

それにしても、花の名前をよく知らない。こういうお庭に立て札など無粋だが。

室内に、詩仙堂関連の書籍と一緒に、写真ファイルが置かれていて、自由に閲覧できるようになっている。花の写真もたくさんあるが、残念なことに、そこにも花の名前は書かれていない。

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詩仙堂

2012-06-01 15:36:07 | まち歩き

市役所や府立医大周辺では、とっくに見ごろとなったサツキ。詩仙堂は、咲き始めた頃かな、と出かけてみた。

120633 座敷前の庭は、2分咲きといったところか。

ここよりも、庭から嘯月楼をのぞむ場所、つまり階段両脇のサツキが早く咲く。南に面して日当たりが良いのだ。

さて、庭に下りたらどんな具合だろう。

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どうやら、来週末あたりが見ごろとなりそうだ。

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坐禅堂の脇では、もう、とうに終わってしまったと思っていたテッセンが。

120614 水辺には、まだアヤメも咲いている。

120618 藤棚を覆う藤の木の、根元がやけに曲がっていることに気づいた。

格子になった柵の向こうは池で、蛙の合唱が聞こえていた。

120616 今年もやはり、袋状になったモリアオガエルの卵が、木の枝先にぶら下がっている。前に見たときほど多くはなく、2~3個程度。

さっきまで聞こえていた合唱は、いつの間にか止んでいた。この小さな池に、産卵のために集まってきた蛙は、一体どれほどいるのだろう。蛙の集団を見るのはあまり気持ちのいいものではない。幸いにも、密生する大木の葉陰が池を薄暗くしていて、柵越しに蛙は見えなかった。

120628 今日、一番きれいに咲いていたのがコレ。南に面した階段下だった。

つつじ色、アザレアピンクの花々はいつもの色だったが、稀に植わっている朱色系、鴇色の花の色は、少し浅いように思った。

掲載写真はどれも、人が写りこまないように撮影したものだが、かなりの人数が来ていた。見ごろの時期は、撮影に苦労しそう。

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