大徳寺本坊伽藍の特別公開が、4/25(木)~6/2(日)の日程で開催されている。一昨日のテレビで経蔵初公開と聞いて、公開初日の昨日、行ってみた。
大徳寺通沿いの駐車場に挟まれた総門から入る。天気が良すぎて太陽光が光背のよう。
受付でツアー開始時間を聞いて、お支払いを済ませ、イベント用名札を首にかけ、ツアー開始。大徳寺七堂伽藍(三門、仏殿、法堂、方丈、鐘楼、経蔵、浴室)のうち、方丈、浴室以外を順に巡る。
まず、三門「金毛閣」から。写真は、勅使門外側より撮影したもの。
上は、ツアー後に囲いの外から撮影したもの。向こう側に勅使門が見える。次の写真はツアー後に西側階段付近を撮影したもの。この三門は、1589年平屋で創建されたものを、修復の際、千利休の寄進で2階建てとしたらしい。寄進した利休の木造を2階に安置したところ、秀吉の怒りを買った、とか。さまざまな事柄が自刃の理由として取りざたされているが、これもその一つ(ツアー解説より)。
三門の手前で解説を受け、立入禁止の砂利敷を避け、両脇の平板部分を行く。三門直下では二階天井に描かれているという龍図のパネルを見せていただく。二階には上がれないため、パネルはきちんと見るべきだった。Webでざっと探してみたが、写真が見当たらず、後悔。
次の写真は仏殿である。
仏殿前のイブキの大木には洞があり、先日の産寧坂の桜倒木が思い出される。ただしこれは地面にしっかり根を張っている(コンクリートや石に邪魔されていない)と思われ、何本かの支えもある。
下は、ツアー後に西から撮影した仏殿。
仏殿の天井には飛天が描かれているというが、かなり褪色していてよく見えなかった。金色の仏像は、ほこりのためか部分的に黒っぽくなっていた。
仏殿から法堂までは明月橋(この漢字で合っているのか?)という名の渡廊下があり、両脇は椅子状になっている。仏殿北側入口から僧が入る際の待機場所であるらしい。そっと歩いても、ミシッと音がする。
仏殿の天井には雲龍図。何度も手を叩いて鳴き龍の音を楽しんだ。建物上部に透かしがたくさんあるのに、音が返ってくるのが不思議だ。墨絵で力強い姿、格好がいい。
国宝、唐門の孔雀の羽には驚かざるを得ない。翼の浮き具合、それぞれの羽の傾き、確かにこれはみごとである。聚楽第で「日暮門(すべての彫刻を鑑賞すると日が暮れてしまうほどの門)」と言われたその門を移築したものらしい。ところで、上京区には日暮通――あの佐々木酒造の前を南北に通る道――という通り名がある。日暮通の名は、この日暮門に由来するらしい。聚楽第の正門であった日暮門は、現日暮通の下長者通~上長者通の辺りにあったと言われている。この間は約100m。かなり範囲は限定されているが、現在は狭い一方通行の道路となっており、その名残を求めることはできない。
この唐門は方丈前庭に面しており、方丈修復事業が終了する再来年には、この裏側の様子も見ることができる(白砂があるため近くに寄ることはできないが)。
最後に、初公開の経蔵へ。八角の回転する経蔵を発明したという傳大士と二人の息子の像がある(ツアー解説)。「天地玄黃」から始まる千字文がそれぞれ一字ずつ書かれた引き出し(横5個×縦9個×8面)が計3600あり(書いてから、数が合わないことに気がついた)、現在所蔵されているお経は、その半分とか三分の一とか……(解説を覚えていない)……。テレビでは、一つの引き出しに3点ほどのお経が収蔵できると話していたように思う。お経というと巻物であるようにぼんやり思っていたが、奉書を畳んだような映像が流れていた。ツアーでは動かすことはもちろん触ることもできない。
ツアー中、伽藍内部での撮影ができないため、一日経つと、細部を忘れてしまっている。すぐに書くのはなかなか事情が許さない。
解説を含め総じて興味深いものであったが、方丈庭園も見られないというのに3000円のツアー代金は高すぎるだろう。この半額程度なら、納得がいくのだが。