京都逍遥

◇◆◇京都に暮らす大阪人、京都を歩く

ボストン美術館展―西洋絵画の巨匠たち

2010-08-22 23:07:06 | アート・文化

岡崎の京都市美術館で、7/6~8/29の会期で開催されているボストン美術館展。真夏ということを考えず、前売りを買ってしまった。あと1週間で終わってしまう・・・・・今日こそ見に行こう、と決心した。強く心に決めなければ行けないほどの暑さ。今日も最高気温は36度。最低気温27度。

10_003 「宗教画の運命」「多彩なる肖像画」「オランダの室内」「描かれた日常生活」「風景画の系譜」「モネの冒険」「印象派の風景画」「生物と近代絵画」のテーマに沿った展示。

その人の内面を抉り取るような肖像画。すごいけれど、こわい。肖像画、人物画ともに、モデルの顔の美醜に関係なく、惹きつけられるものもたまにある。今回の人物画で気になったものは、コローの『花輪を編む娘』。

ただやはり、個人的には風景画が好きだ。ルソーの『森の中の池』も良かった。モネの部屋で暗い色調の絵が続いた中で、部屋の隅に架けられた『ジヴェルニー近郊のセーヌ川の朝』は、眼福といったものだった。手前から奥へ流れていく川。その川面に映り込んだ両岸の森の緑。空は朝焼けのバラ色で、川にもそれが反映され、幸せな気持ちになる。このバラ色は、会場で売っている絵葉書やカタログでは黄色っぽい色に写っていて、あの柔らかな色彩は会場の照明のせいだったのか?と首を傾げるほど、まるで違ったものに見えた。ピサロの『エラニー=シュル=エプト、雪に映える朝日』、これも気に入った。展覧会で、遠目に見て気に入った絵は、そのタイトルを考えながら近づき、実際のタイトルを読んでみる。自分の感覚とどれほど近いか隔たっているか、というゲームだ。この絵は“冬枯れの朝”とつけてみたのだが、反対だった・・・・・・と、がっかり。ブラックの『桃と洋梨と葡萄のある静物』は、遠目には良かったのに、近くで見ると、も一つ気に入らなかった。

それにしても、どれもこれも金色の装飾過多の額縁ばかり。アメリカっぽいな、と思う。

『ジヴェルニー近郊のセーヌ川の朝』の色が悪いからというだけでなく、なんとなくカタログは買う気になれなかった。もうちょっと期待していた展覧会だったが・・・・・・暑さのせい?

10_004 11時頃の入館規制の看板。私が入館した9時過ぎは、館内10分待ちだった。今日は、混んでて見るのが嫌になるほどの人出ではなく、快適だった。

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京都五山送り火2010

2010-08-16 23:38:29 | まち歩き

葵祭、祇園祭、時代祭と並んで、京都四大行事の一つである五山送り火。東山如意ヶ嶽(大文字)、松ヶ崎西山・東山(妙法)、衣笠大北山(左大文字)、西賀茂舟山(船形)、嵯峨鳥居本曼荼羅山(鳥居形)で五山。松ヶ崎西山(135m)の「妙」は東山(186m)の「法」に先んじて始まったものと言うし、両山の間には林山も存在するというのに、まとめてしまうのはなぜだろう。低い山が連なって一まとまりに見えるとしても。

京都市観光協会発行の祇園祭パンフレットに、送り火の点火時刻と鑑賞ポイントが記載されていた。

10_028 ここには大文字のビューポイントは、鴨川堤防(丸太町大橋~御薗橋)とある。御薗橋は上賀茂神社前の橋だ。そんな遠くからも見えるのか。もっと近くならよく見えるかもと、高野川の堤防を歩いた。

20年ほど前に観たときの、出町での混雑を思い出す。あの日はただ疲れただけだった。出町より少しく北で、川越しに観た今日は。

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手元がブレて、よく撮れていないが、ちゃんと見えた。先月急逝した友人を思って観た。大文字を見つつ川べりを歩いて、高野橋へ出る。ここから「法」が真正面に見えることは知っていた。「大」はじわじわと点火されたが、「法」は暗い川の向こうの闇の中に一瞬で出現した。

人が流れる。橋を西へ渡る人が「生協の角の道から、妙が見える」と話すのを聞いた。300mほど先の、コープ下鴨のところから見えたのは「法」の文字で、「妙」は隣のガソリンスタンドの角から見えた。店の前で信号待ちをしているように見えた人たちは、信号が変わっても渡らずに、北大路通のずっと西を眺めている。「今年は風向きが悪いな。左大文字、よう見えへんわ」。ずっと西の空を注視すると、わずかに弱い光が見えた。確かに、ここでも見えるようだ。

松ヶ崎道を北へゆく。「妙」が近くなる。北山通に出て西へ歩くと、通り北側の5階建てマンションやビルに「妙」が隠れてしまう。路地の向こうにときどき現れるが、結局、駐車場越しに「妙」を見る。いつもこの山を見て、どうやって妙と読むのだと思っていた。火がついて、やっと納得。

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精霊送りの火。人がそれぞれ、亡くなった知己を思うのだ。ならば、多くの人が見ることができる方がいい。鴨川べりでは数年前に、建物の高さが規制されている。確か、大文字が見えるようにという配慮だったと記憶する。北山通にも高さ規制があっていい。

各保存会の資料をまとめたというHPには、送り火の由来について諸説が掲載され、火床の解説もある。左大文字は、右大文字の半分程度の大きさらしい。

京都五山送り火連合会HP(http://www.gozan-okuribi.com/

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第23回下鴨納涼古本まつり

2010-08-15 23:14:36 | まち歩き

京都古書研究会主催の『下鴨納涼古本まつり』。8/11(水)~16(月)の期間、下鴨神社糺の森で開催されている。時間は10:00~18:00(最終日は10:00~16:00)。バス通り(下鴨本通)の「古本まつり」の幟を、今年もそんな季節になったかと思いながら見ていた。夕方なら少しは涼しいだろうと、4時半頃出かけてみた。

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御蔭通にも、藍色の幟が沢山立っている。鳥居をくぐって参道を少し歩き、河合神社の方へ橋を渡ったところが会場だ。

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急いで見て回ったけれど、時間切れ。終了時刻の6時になると、ビニールシートをかけて店じまいを始め、全部は見ることができなかった。人出は少なく、少し涼しく、虫もなく、見やすい日だった。ただ、ニオイが。古い本の黴のニオイ、傍で本を選ぶ人の体臭、店番の人の吸うタバコのニオイ・・・・・・。

帰宅してから、最初に買った店の袋に、「集印帳」と書かれた紙が入っていることに気がついた。各店で1000円以上買うとスタンプを押してくれるとのこと。スタンプ5個で400円、10個で1000円・・・・・・と、金券がもらえるそうだ。

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集印帳には店名・住所・電話番号が載っていて、出店しているのは市内からだけでないことがわかる。長岡京、大津、大阪、高槻、豊中、四条畷、高石、泉佐野、生駒、香芝、岡山、倉敷。そんな遠くから。

木陰なので最初は涼しかったのに、歩いて本を選ぶうちにひどく暑くなってきた。すると、ちょうどいい具合に、古本まつりのうちわをもらった。1万本を本部のテントで配布していたらしいが、暑そうにしているのを見かねて、お店の人がくださった。

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買ってきた3冊の本を、今、手元に積んでいる。本が埃っぽくて、息が苦しい。虫干ししたら、マシになるだろうか。

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五条坂・陶器市

2010-08-08 16:06:22 | まち歩き

何年ぶりになるだろう。ここ数年、暑さに負けて、出かけていなかった。誘われて久しぶりに歩いた五条坂。昨日・一昨日より暑さはいくぶんマシで、風もあり、押し合うような人出でもなく・・・。そう、日曜朝なのに、記憶にある昔の賑わいはなかった。出店も少なかった。特に南側歩道には。

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各露店でそれぞれテントを張って品物を並べているのだが、昼近くなると陰が伸びず、かなり辛い。

京阪・清水五条駅を上がって、五条通北側の歩道を東へ歩く。東大路五条で南側の歩道へ折り返すのだが、その辺りで限界を感じる。あまりの暑さで。しかもずっと上り坂だったので。五条の信号は短くて、ゆっくり歩くと渡り切る前に歩行者用信号が赤になってしまった。

ここ数年、夏の暑さが厳しくなっているし、町を挙げて陶器市をするのなら、歩道いっぱいにテントを張って、日陰にしてくれたらいいのに・・・・・・と思う。あまりに暑くて、途中で選ぶのが面倒になってしまった。ところどころ、店舗からの冷気でほっとするのだけれど。

10_010_2 結局、最初に気になった店に戻って、味のある絵付けの湯呑みを購入。この絵柄なら、飾り皿がほしい。「厚」と底に署名がある。今年初めての出店で、来年以降も同じような場所に出店予定とのこと。ときどき、おつかいものに買い物をする楽只苑のすぐ東側だった。来年はお皿を、とお願いしておいた。

今日は京阪・出町柳駅から電車に乗るのに、同駅前柳月堂の駐輪場を利用。京阪・叡電出町柳駅ならびの駐輪場は150円だが、そのすぐ向かいにあるここは、8時間100円だった。短時間の駐輪なら、ここ。

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