京都逍遥

◇◆◇京都に暮らす大阪人、京都を歩く

京都市交響楽団 第696回定期演奏会

2025-01-19 23:24:33 | アート・文化

1月17日(金)・18日(土)と、京都市交響楽団の定期演奏会があった。指揮は、新しく首席客演指揮者になったというヤン・ヴィレム・デ・フリーント。

☆ホワイエのポスター

土曜の曲目は、メンデルスゾーン「夏の夜の夢」より「序曲」、ペルト「ヴァイオリン、弦楽と打楽器のためのフラトレス」。短い演奏の後、休憩が入り、ダウランド「弦楽合奏のための『あふれよ、涙』」、シューマン「交響曲第2番ハ長調作品61」。

メンデルスゾーンは有名。夏の夜というよりは、朝の小鳥のさえずりやあらゆるものの目覚めを思わせる。

ペルトは初めて聴いたが、興味深い曲。

ダウランドは静かで落ち着いた、暗さがありながら美しい曲。器楽曲として作曲され、歌曲としても流布されたらしい。帰宅後、YouTubeで歌曲(和訳テロップ付き)を聴いた。旋律は美しいが、歌詞の内容は重苦しい。この歌詞に多くの人が共感して長く残る歌となったのだろうか?時代のせいか?

シューマンの交響曲を聴くのも初めて。バルコニー席の床が共鳴しているような感覚だった。

最近はコンサート前に全く予習していないことを反省。

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井上道義指揮 ブルックナー

2024-11-23 21:01:28 | アート・文化

第28回京都の秋音楽祭、最後を飾るのは、今年限りで指揮活動引退を発表している井上道義氏によるブルックナー交響曲第8番ハ短調である。

ホール2Fより窓越しに撮影。

ブルックナーは初めてで、私にはよくわからない。YouTubeで2度聴いてみたが、面白くなくて、やめた。さすがにホールで聴くとある程度は集中できたが、大音響でとにかく長いな、と。コンサートでは休憩なしで約100分の演奏。キレのいいティンパニが良かった。せっかくの3台のハープ、マイクがもっと音を拾ってくれたらいいのに。弦楽器のピチカートも同様。もったいない。

指揮は、指揮台なし、タクトなし。掌と腕の動きに目が釘付けだった。万雷の拍手で迎えられたカーテンコールの際の井上氏のご様子に、お人柄がしのばれた。

ロビーには井上氏のこれまでの足跡をしるす数枚の写真が飾られ、引退が強く意識される。

京都コンサートホールに限らず、これまで行ったどのホールでも、観客のほとんどは50~70代とおぼしき女性(若い有名ピアニストのコンサートでは20代であろう女性客も)だったが、今日のコンサートは圧倒的に60~70代の男性が多かった。こんなに客層が違うとは、驚き。

廊下に掛けられた井上氏の肖像。1階会館入り口から2階ホール入口までのスロープに、何人もの指揮者や奏者の写真(モニター)が掛けられており、その1枚。

 

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京響 第695回定期演奏会

2024-11-16 20:59:57 | アート・文化

「京都の秋 音楽祭」の一環として開催された京都市交響楽団第695回定期演奏会。

今日のコンサートは、時間ができて先週急遽予約したものだから、曲の予習をしないまま出かけた。

1曲目のモーツァルトは、レガートが優しく優美な印象。

2曲目のベートーヴェンはソロに入る前のオーケストラのメロディを聴いて「あ、この曲知ってる」と気づいた。曲の始まりのティンパニでは気づかず。小規模編成のオーケストラで、独奏ヴァイオリンは高音でメロディを奏でる。優雅である。調べてみると、1806年12月に初演なので、その頃に完成したようだが、翌年、ピアノ協奏曲に編曲したらしい。なるほど、私が知っていたのは『ピアノ協奏曲ニ長調作品61a』だったようだ。

3曲目のドヴォルザークは、初めて聴く曲だった。ティンパニも木管もそれぞれ素晴らしく、鈴木雅明氏の指揮は熱量が伝わってくるようだった。

個人的には9月のコンサートよりも全体として満足度が高かったが、何といっても最も良かったのは2曲目と3曲目の間で演奏されたソリストのアンコール曲であった。私の好きなバッハだったからかもしれない。コンツェルトでは演奏技術の高さがよくわかったが、アンコールの独奏は、心に染み入るような音色だった。ピアニッシモの最後のFの音がホールに拡散して消え入るところなど、これはヴァイオリンでしかできないと思わせられる。

帰宅後、ジョシュア・ブラウンをYouTubeで何曲か聴いた。ジョシュア・ブラウンによる同曲の演奏はYouTubeで見つからなかったので、Itzhak Perlmanの演奏で曲の復習も。

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第28回京都の秋音楽祭

2024-10-18 17:45:19 | アート・文化

9月14日-11月23日の期間、「第28回京都の秋音楽祭」と銘打って、さまざまなコンサートが開催されている。

9月14日の開会記念コンサートは、指揮:杉本優、ピアノ:髙木竜馬、京都市交響楽団の演奏で行われた。メンデルスゾーン「トランペット序曲作品101」、シューマン「ピアノ協奏曲イ短調作品54」、ブラームス「交響曲第2番ニ長調作品73」のプログラム。

トランペット序曲は初めて聴いたが、開幕にふさわしい華々しい曲であった。,

ピアノ協奏曲は有名曲。髙木竜馬さんのピアノはテレビやYouTubeで何度か聴いて音色が好きだったこともあり、楽しみにしていた。失礼を承知で書くが、良さが出ていないというか、彼のピアノの音色を楽しむ曲目ではなかったように思う。

交響曲は、どのコンサートでも力が入っている。

ポディウム席のシートは固めで、座り心地は悪かった。ここのところ、兵庫と豊中ばかり行っていたので、久しぶりの京都コンサートホール。友の会に入ったことだし、いろんな席を試してみたい。

 

 

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第63回日本伝統工芸展京都展

2016-10-15 00:33:51 | アート・文化
10月12日~17日の期間、京都高島屋7階グランドホールにて第63回日本伝統工芸展京都展が開催されている。
ずらっと並ぶ工芸作品の、その技量に圧倒される。
今回気になったのは、截金飾筥の数々。とんでもなくこまかい細工、金のきらめき。入り口近くに展示されていたそれら一つ一つに吸い寄せられるように近寄ったのだった。それにしても、この飾筥というのは、どこからどこまでが蓋?入れ物としての用をなさないのだろうか。

金工で日本工芸会長賞受賞の『鍛矧合壺「線」』、作品前に置かれた受賞作品解説を読んで驚いた。線状の金属を接ぎ合わせる?これは見てみないと、すごさは分からない。

陶芸を最も楽しみにしていたが、どうしてあんなに大きいものばかりなのだろう。実際に触ることはできないが、きっと重すぎる。飾るにしても、運ぶのが大変。実用的ではないと感じた。

染織では、刺繍の着物のすごさに目を見張り、経浮織男帯『麦秋至』、繍箔裾文様訪問着『若松』に惹きつけられた。

さて、本展のチケット写真になっている文部科学大臣賞縠織着物『海に聞く』。この「縠織(こめおり)」という言葉を初めて聞き、調べてみた。
「からみ織りの一種。粟粒のような点で文様を表す。薄くて透けた夏用の布。こめ。」(『大辞林』三省堂)
コトバンク https://kotobank.jp/word/%E7%B8%A0%E7%B9%94%E3%82%8A%E3%83%BB%E7%B8%A0%E7%B9%94-269623
「縠 釋名云縠……其形〇〇視之如粟也……」(『倭名類聚抄』巻第十二 布帛部第二十 錦綺類百五十九)
*〇は糸偏に戚
国立国会図書館デジタルコレクション http://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/2544221?tocOpened=1

手持ちの紙辞書で確認してみる。
角川『新字源』改訂版三八版:「縠(コク)」ちりめん。しわもようのある、うすでのちぢみ絹。「羅縠 らこく」
大修館書店『新版 漢語林』八版:「縠(コク/ゴク)」うすでのちりめん(縮緬)。しわ模様のある、やや目が粗い薄い絹織物。
集英社『国語辞典』初版:「縠織(こめおり)」織り目の透けた、薄い絹織物。紋紗 もんしゃ の類。

「縠織」が掲載されている集英社は、三省堂と同様、実物に即した解説であった。
しかし、本来の「縠」の意味は、角川・大修館にある通り、縮緬である。受賞したきものは、夏向きの薄手の絹織物ではあるが、縮緬のシボはなかった。しかも「縠」に「こめ」という読みも意味もない。

「縠織=こめおり」という言葉は、いつかの昔に誰かが「縠」と「穀」とを混同して読みと意味を取り違え、それが現在にまで続いているように思えてならない。

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