藤森神社の「あじさい祭」へ行ってみた。
JR奈良線、JR藤森駅で降りる。この駅名に驚く。京阪に藤森駅があるから、「JR」と付くのだろう。何とかならなかったのか・・・。並行するJRと京阪で「稲荷駅」と「伏見稲荷駅」があるように、区の名称を加えるとか、JRで「嵯峨駅」を「嵯峨嵐山駅」に変更したように、近くの地名をくっつけるとか。
さて、この駅から西へ向かう。急勾配の下り坂を少し、そして続く緩い坂を下りきった辺りに、目指す神社の鳥居があった。坂道がイヤな時は、京阪墨染駅を利用した方がいいだろう。
立派な石造りの鳥居がデンと構え、参道は広く、両脇に植わった樹木には、古木が雑じっている。ここで、駈馬をするのだろうかと想像しつつも、目は足元の白いラインへ。あじさい祭で参詣が増えるから、臨時駐車場として、この参道も利用するのだろう。風情がないなぁ。「あじさい祭」と書いた幟も色あせている。ちょっと嫌な予感がする。そうして、本殿近辺や紫陽花苑で、その予感は的中。赤い大きなゴシック体の注意書き多数。もう少し、何とかならなかったのか・・・。
紫陽花苑は手前に第一、奥に第二があり、共通入苑料300円。第一の方が広く、通路もゆったりとして、手入れもいいように思う。第二の方の紫陽花は、とにかく育ちすぎ。背丈よりも高く、紫陽花を見上げて歩くことになる。小さな太鼓橋が設けられていて、そこからの眺めはまぁまぁ良かったのだけれども。
アジサイが、両側で壁になっている。
花を見下ろしたいのに、ほとんど見上げる状態。
紫陽花。何種類あったのだろう。第一紫陽花苑では、いくらか剪定していたらしく、高さ1.5~2mぐらいで見やすい。それでも、取り付けられた品種名の札は殆ど隠れ、ほんの数種類しかわからなかった。
次の二点は、姿も色もいい。
名前はわからないが。
肉厚で円い小花は、オタフクアジサイ。
これは、札が見えたので、わかった。
別名ウズアジサイとも言うらしい。
なるほど、柏の葉に似ている。
雨を気にしながらも、広い紫陽花苑を堪能できた。色が悪かったり、枯れ始めのがあったりしたけれど、日陰の道にきれいなブルーの手毬がいっぱいという所もあった。しかし、蚊の多いこと。腕も足もガードして歩かねば。
最後に、いつものように飾り瓦の鑑賞。本殿は、宮中賢所の建物を1712年に移築したものという。そこで、飾り瓦は菊の御紋。金具部分に、藤森神社の神紋が使われている。
藤森神社の神紋は、上がり藤に一文字。
藤紋の元の形は下がり藤だったという話もある。藤森神社は「平安遷都以前から祀られている古社」と、パンフレットにあったが、ここの神紋は、一体いつから使われているのだろう・・・。
明日、6月30日は夏越の祓。一日早いけれど、茅の輪くぐりをしてみた。
学問・勝運と馬の神社であり、「菖蒲の節句発祥の神社」。そして境内には名水「不二の水」や、白松・大イチョウ・クスノキなどの名木。京都検定に興味はないけれど、花を観るついでに由緒を知る、少しずつ京都が分かるのは、なかなかに愉しいものである。