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補助金減る認定こども園も ― 保育新制度 矛盾が露呈

2014-08-19 | 教育・保育・子育てを考える

公定価格の仮単価提示

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写真)幼保一体化施設でお弁当を食べる児童=東京都渋谷区

 来年4月から実施される子ども子育て新制度。施設への補助金となる公定価格の「仮単価」が示されて以来、保育所と幼稚園の機能を持つ「認定こども園」では補助金が大幅減となるケースが出ることから認定返上を検討する動きが出ています。

幼稚園に戻り減収を避ける

 7月末に開かれた政府の子ども・子育て会議では、全国認定こども園協会の代表が、アンケートに回答した181施設のうち55園(幼保連携型こども園44と幼稚園型こども園11施設)の約3割が認定返上を検討していると報告しました。800~1000万円の減収になるケースもあり、認定を返上して幼稚園に戻るほうが補助金減を回避できるとの考えからです。

 政府は新制度の枠内に入ると“充実する”と期待を持たせてきましたが、仮単価では幼児1人あたりの単価を小規模園で高くしたものの、大規模な施設では園児の単価を4分の1ほど低く設定。認定こども園には大規模園も多く、補助金減で運営できない園が出る矛盾に陥っています。

 政府は、こども園は地域の子育て支援を担うとしてきましたが、返上になれば、こうした機能は後退することになります。

待機児解消につながらない

 認定こども園は、施設と保護者の直接契約となり、市町村の直接の責任が後退します。そのため政府は保育所を認定こども園に移行させようと狙ってきました。保育所から認定こども園へ誘導するため単価に格差をもうけたものの、待機児童解消につながらない矛盾も指摘されています。

 保育研究所の村山祐一所長の試算によると、保育所から認定こども園に移行した園(定員90人)の場合、保育園児の15人を幼稚園児に入れ替えるだけで年間約2845万円の増収となります。

 幼稚園児は保育園児より保育時間が短いにもかかわらず幼稚園児に大きく上乗せされた単価設定だからです。

 村山氏は「これでは幼稚園児を獲得した方が運営費が増えるメリットがあることになり、保育園児の待機児童解消にはつながらない。しかも幼稚園児の争奪を引き起こしかねない」と指摘します。ほかにも、幼児では幼稚園と保育所と保育時間が違うのに基本単価が同じ▽幼稚園にはチーム加算がついているのに保育所には加算がない―など幼稚園、保育所、認定こども園と施設ごとに不平等があると指摘します。

 村山氏は「子ども一人ひとりの保育と職員の処遇に格差が出ていることは児童福祉法の理念に反する。どこにいっても同じサービス、働く人の処遇でも同じく保障すべきです」と強調します。


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