沖縄県の米海兵隊普天間基地(宜野湾市)に所属する垂直離着陸機MV22オスプレイがまた墜落しました。事故はオーストラリア東部沖で発生し、乗員3人が行方不明になっています。普天間基地所属のオスプレイは昨年12月、沖縄県名護市沿岸に墜落したばかりです。“欠陥機”と呼ばれてきた同機は、沖縄を拠点に日本各地に飛来しており、墜落など重大事故の危険に県民、国民がさらされていることを改めて示しています。直ちに沖縄から米本国へ撤去すべきです。
全国に広がる事故の危険
普天間基地所属のオスプレイは2012年から13年にかけ、県民の圧倒的多数の反対世論を無視し、24機の配備が強行されました。それから5年足らずのうちに、すでに2機が墜落事故で失われるという異常な事態です。
今回のオーストラリア東部沖での墜落事故の詳細は不明です。昨年12月、夜間に空中給油訓練を行っていたオスプレイが名護市安部の浅瀬に墜落した事故も、原則6カ月以内となっている米軍調査報告書の日本側への提出はいまだなく、詳しい原因は明らかにされていません。
米軍は、昨年12月の事故発生からわずか6日後に「機体の安全には問題ない」として飛行再開を強行し、県民の不安などまったく眼中にない態度をあらわにしました。その後も、墜落事故などなかったかのように、空中給油訓練や夜間訓練を再び始め、民間地近くでの危険な物資つり下げ訓練も行っています。6月には米海兵隊伊江島補助飛行場(沖縄県伊江村)と奄美空港(鹿児島県)で相次いで緊急着陸する事故も起こしました。そして、今回の墜落です。
オスプレイの事故の危険や騒音被害は、沖縄だけでなく全国各地に大きく広がろうとしています。
普天間基地所属のオスプレイはすでに、米空軍横田基地(東京都)、米海軍厚木基地(神奈川県)、米海兵隊キャンプ富士(静岡県)、同岩国基地(山口県)などに飛来し、訓練を繰り返しています。
米海兵隊と陸上自衛隊が本土の陸自演習場で実施する共同訓練などにも参加してきました。今月10日から28日まで北海道の陸自演習場で行う共同訓練にもオスプレイ6機が参加し、夜間訓練を行うことも公表されていました。共同訓練を前にして、米空軍三沢基地(青森県)にも飛来しています。
加えて、安倍政権が陸自への導入を決めたオスプレイの佐賀空港(佐賀県)配備計画や、陸自木更津駐屯地(千葉県)でのオスプレイの整備拠点設置も重大です。今回の墜落事故は文字通り、日本各地の住民の命と安全に関わる大問題です。
県民大会の大きな成功を
安倍政権は今回の事故を受け、米軍に情報提供や飛行自粛を申し入れたものの、抗議の意思は表明しませんでした。沖縄県民はじめ全国各地の住民の懸念を顧みない米軍追従の態度は許されません。
沖縄では12日、普天間基地に代わる名護市辺野古での新基地建設の断念を求める県民大会が那覇市内で開かれます。県民大会を大きく成功させ、沖縄と全国で、新基地建設工事の中止、普天間基地の無条件返還とともに、オスプレイの飛行停止、撤去を求めるたたかいを広げることが急務です。