銀河英雄伝説に及ばないまでも、
やや長編になってしまった後なので、
ちょっと息抜き。
なんだか意味不明なタイトルですけど、ご容赦くださいませ(笑)
実は、同じタイミングで
海自関係者のお二人が銀河英雄伝説を読んだor観たとのことで、
感想をいただいたのですが、
これがまた、おもしろいくらい同じことを言っていたので~ちょっとシェアさせて頂きます♪
あ、関係者のお二人のお一人は、
いつもコメントを下さっている雷蔵さんで
もう一人は、現役の海自幹部さんです。
この二人が同じように言ったのは、
1つは、
「階級がおかしい(笑)」
うん、わかってる…。
それはよーくわかってますよ…。
「20代の将官があんなにいるわけない」
「だいたい、バイエルラインが大将とか絶対におかしい!せいぜい、大尉」
ごもっともです(笑)
まぁ、これは別に海自関係者でなくても思うところですが、
さすが!と思ったのが、お次。
「あれは艦隊戦の動きじゃない歩兵の動きだ」
という、言われてみればもっともで、
かつ、銀河英雄伝説の根本を揺るがす衝撃の言葉(笑)
ま、そ~よねぇ…。
作者はどう考えても艦艇の知識が薄い(と今なら分かる)上に、
歴史、特に中国史が好きだから、ベースとなっているのは、
歴史上の様々な戦いなので、仕方のないことなんだよね~と。
歴史で習ったような「ナントカの戦い」を、
宇宙空間にそのまま持ってきて艦隊戦にしちゃってるからね~。
おかげで、私も海上自衛隊の知識が増えるにつれ、
今まで気にならなかった細かいことが気になってきたのも事実。
例えば…
帝国軍には軍帽がない
っていうのが、今見ると違和感が湧き出て仕方なくなっちゃいましたよ(笑)
外や艦橋にいるのに、
頭むき出しってところに、どうにも違和感が出てきた(笑)
軍人は、外にいる時は脱帽禁止(←帽子をかぶれ、ではなく「脱帽禁止」なのがポイント)だから。
なんだか、とてもカジュアルにみえてしまう…。
で、お二人のご指摘の通り、歩兵の動きと言われてしまった艦隊戦。
この要因の1つと思われるのが、
艦砲射撃によっていかに敵艦を撃ち減らすか、ということに基づいているから、
ってことがあるではないかと推察。(それだけじゃないけど)
じゃあ、現在の艦隊戦は?っていうと、
艦そのものの撃ちあいなんてものはなくて(←こんなのは日露戦争まで)
ミサイルの迎撃…つまり、対空戦闘、もしくは、
潜水艦をいかに見つけてしとめる…対潜戦闘という形なんですね。
なので、このことを頭の片隅にでもにおいてから、護衛艦の見学をすると、
意味がわかってよりおもしろいんじゃないかと思う。
ちなみに、前回とりあげた「あきづきのネコ」も、
なんで、ネコちゃんが潜水艦とミサイルを捕まえているのか、
これで意味がが分かりますね?(笑)
…これが念頭になくて護衛艦見学した場合、
ミサイルだの魚雷だのヘリだのと各武器や機能の説明だけ受けても、
そもそものその艦の戦術的役割が分からないと、
パズルのピースがバラバラの状態でみせられている感じになって、ピンとこないじゃないかなぁ?
ちなみに、前回まで取り上げていたイージス艦も、
みんな騒いでいる割には、
イージス艦がなんですごいのか、何がすごいのかは、分かっていない人の方が多いはず(笑)
同時に多数の目標を捕捉できるとか、
死角がないといわれるくらい、前後左右上(下はない)幅広く探索できる能力があって、
イージス艦しかキャッチできないデータを、他の艦とデータリンクするとか、
とってもざっくりいうとそういう機能があるけど(←ヲタに非ずなので、専門的な説明はできません(笑))
これも、大きな役割はミサイルの迎撃なわけです。
ミサイルと言ってもただのミサイルではなく、
大陸弾道弾の迎撃ですね。
北朝鮮のテポドン2号が、まさにコレ。
大陸弾道弾というのは、一旦宇宙空間に出て、
それからマッハ5くらいのスピードで落ちてくるんで、
宇宙空間にいる間に迎撃しないと、アウト!!なんですね~。
で、大事なのはココなのですが、
知っている人が存外少ないようなので、前にも書いた気がするけど、再度ココで吠えます。
この、大陸弾道弾を100発100中で迎撃可能なのは、
世界広しといえども、
我が国が誇る海上自衛隊のイージス艦だけだということを!!
(でもこれ、ちょっと前の情報だから、他の国が成功していたって話があったら、ゴメン。
それでも、史上初なのはまちがいないけども。)
そして、この事を一番知らないのは、
残念ながら日本人なのですよ。
「国防男子」なんか出す前に、
PRすることが他にあるだろう?!海上自衛隊よ!!
…いや、ここは、海上自衛隊だけを責めるわけにはいかない。
なぜなら、世界で初めて大陸弾道弾の迎撃実験に成功した時、
当然、プレス発表が行われたのだが、
ほとんど記者が来ていなかったのだから!!
この事を大々的にニュースで報道したのは、
技術提供、合同訓練を行った、アメリカはもちろん、
他には、ヨーロッパと香港だけでした。
この3国では、まるで自国が成功したかのように、大々的に取り上げられていましたが、
あろうことか、自国で…この日本において、一切の報道がなされなかったのです。
ですので、この歴史的快挙を、多くの日本人が知りません。
この一見だけみても、
日本のマスコミがいかにひどい存在なのか、分かろうと言うものです。
先に挙げたように、大陸弾道弾は、宇宙空間…つまり空気がない場所において迎撃せねばならないため、
その技術はアメリカにおいて開発されたものだけど、
人為的な操作において極めて困難で、なかなか迎撃に成功しなかった…
が、しかし
海上自衛隊において、ついに、迎撃に成功してしまったわけです。
海上自衛隊のファンだ、と自称する方には、少なくともこの事は知っててほしいですね。
ましてや、この事を、海上自衛隊が自ら功を誇って吹聴することはないので、
彼らの口から聞く機会もまぁ、ないでしょう。
この話題をこちらか振ってさえ、
「まぁ、そのようですねぇ…」
とか、
「どうなんでしょうねぇ」
なんてあいまいな返事で、
「そうなんだよ!すげ~だろ~」
とは、一切言わないわけですから。
ちょっと、熱くなってしまいました
銀河英雄伝説の話に戻すと、このあたりは、
民主国家と言いながら、平気で情報統制をおこなう自由惑星同盟と似てるし、
自らの功を誇らないあたりが、ヤン・ウェンリーみたいではないですか
まぁもっとも、ヤン艦隊は、海自っていうより、空自っぽいなぁって思うけどね~。
あの階級に対して、フラットな感じが(笑)
「空飛ぶ広報室」のあの軽い感じ…ヤン艦隊っぽい…
雷蔵さん曰く、帝国軍って陸自みたいだと仰っていましたが、
あの、固くて、階級の上下関係が厳しいあたり、確かにね~と思いますね。
この辺は、ゆるやかな会で、
空自さんと陸自さんが混じった時に、空曹さんが空尉さんと話している所を見て
「空自って本当にフラットね(笑)」
というと、
空自尉官の参加者が笑って
「そうなんだよね。陸自の若い人たちの方が、ものすごく気をつかってくれて申しわけなかった(笑)」
と言っていたのが印象的でした。
ちなみに、空自のペトリオット部隊曰く、
「戦闘機より、イージス艦の方が親近感がある」
とのことでしたが、めっちゃ納得。
で、
話が飛び飛びになって申しわけないけど、
イージス艦に再び話を戻します。
もう1つ、ミニイージスだの和製イージスだの呼ばれている、
例のネコちゃんのあきづき始めとするつき型ですが、
この、建前(?)DDにカテゴライズさている、
この不思議な艦は、
イージス艦には、ミサイル防衛に徹してもらうために働く、
文字通りイージス艦の「護衛艦」たる役割があるわけですね。
大陸弾道弾を迎撃しようとするイージス艦は、
当然のごとく、潜水艦やらなんやらに狙われるわけなので~。
なので、他のDDやらDDHやらは、
敵の潜水艦を先に見つけることが大事だし、
撃たれた魚雷を迎撃することが大事だし、
敵艦から飛んできたミサイルも迎撃しないといけないわけで、
それらを防ぐために、
二重・三重の迎撃態勢のための、
ミサイルとか、SIWSとか、チャフとか魚雷なわけですよ。
だから、潜水艦は、
静か = 敵から見つけられにくい = 優秀
なんですよね。(だからプロペラの厚さが最高機密 ⇒ 鉄のくじら館のプロペラがちゃちい理由です)
言うまでもありませんが、ここでも我らが海上自衛隊の潜水艦隊は極めて優秀です。
(すごいのは、カレーだけじゃないってことを、肝に銘じておいてほしい…)
米軍との鬼ごっこ(鬼⇒米空母 対 海自潜水艦)において、
見つけられなかった海上自衛隊の潜水艦を、もしや故障でもしたのかと必死になって探していた時、
一方の、海自潜水艦側は、なかなか見つけてもらえないので
「どうしちゃったんだろう???」
と心配(?)になって、いきなり米空母の真横に浮上したという、有名な武勇伝がありますね(笑)
で、
ここでもう1つ知っておいてほしいのが、
最初に挙げた通り、
艦隊戦といっても、艦砲射撃の撃ちあいではないので、
護衛艦自体の装甲は薄くなっています。
ミサイルの落としあいなので、厚くする必要がないし、厚いと艦の足が遅くなるからですね。
なので、もし、護衛艦がミサイルを喰らってしまうと……
……護衛艦を見学される時は、ぜひ、この事も頭の片隅に置いておいてください。
制服がカッコイイとか、
ミサイルが本物かどうかとか、
カレーがおいしいかどうかとか、
そんなことではなく、
彼らが多くの時間を過ごしているその艦が、どんなに艦なのか。
彼らの役割、真の存在意義はなんなのか。
彼らは、アイドルでもないし、単純な正義の味方でもありません。
いろいろな迷いや悩み、そして多くの矛盾を抱えながら、
日本にとっての生命線である、シーレーンを護っている人たちです。
日本近海に迫りくる危機を、最も肌で感じている人たちです。
ここで、銀河英雄伝説の1シーンより、
自由惑星同盟総参謀長チュン・ウーチェン大将の言葉。
「ヤン・ウェンリーは、何かと欠点の多い男ですが、1つだけ何者にも非難できない美点を持っています。
それは、民主主義の軍隊の存在意義は、国民を護ることという事を本気で信じていて、
しかもそれを、1度ならず実行していることです」
この言葉は、我が国の自衛隊にこそ当てはまるように、私は思いました。
少なくとも、私が知りうる限り、
彼らは、そういう存在だと確信しています。